ストーリー相撲

琴ノ若 ~進化続ける23歳~ 大相撲名古屋場所

2021-07-11 午前 11:15

横綱・白鵬、綱とりの大関・照ノ富士。勝ちっぱなしの2人の大きな背中をただひとり1敗で追うのが、前頭11枚目の琴ノ若だ。

 

7日目の対戦相手は英乃海。埼玉栄高校の8学年上の先輩との一番で、臆することなく踏み込んでもろ差しを狙い、すぐに切り替えて左上手。

 

 

深く取った上手を使って豪快に相手の体勢を崩した。決まり手は「上手ひねり」。

 

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テレビ中継の解説を務めた元横綱・鶴竜の鶴竜親方は勝負が決まった瞬間「おお」と声を漏らした。

 

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琴ノ若が出したとっさの技に「これはもう稽古しかない」と日々の努力をたたえた親方。

 

さらに「頭で考える前に体が動かないといけない。こういうものは瞬間的なもの。“いける!”と思った時に、もう体が動いている」と絶賛した。

 

しかし、琴ノ若は、元横綱を驚かせた6勝目にも表情を崩さない。

 

 

「しっかり踏み込むことだけ考えた。体が動いてよかった」

 

淡々と振り返りながら、日々の成長は自分自身でも感じている。先場所の千秋楽、負け越しが決まった琴ノ若は「しっかり切り替えて稽古するだけ」と巻き返しを誓っていた。そのことばどおり、最近は稽古で磨いてきた成果が発揮されつつある。

 

「立ち合いだったり、そのあとの動きの流れだったり、満足せずに追究するつもりでやれている。形が悪くなっても、冷静に動きで対応できるようになってきた」

 

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稽古場では、去年11月場所で引退した元大関・琴奨菊、秀ノ山親方の胸も借り、立ち合いの踏み込みや角度などを学んでいるという。

 

飽くなき追究心で進化を続ける琴ノ若は星の差1つでトップを追う展開に「そういうところは意識せず、今はまず自分の相撲に集中していきたい」と冷静だ。

 

早くから大器と目されてきた23歳がついに花開かせるのか、残りの取組が楽しみでしかたがない。

     

この記事を書いた人

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小野 慎吾 記者

平成28年NHK入局。岐阜局を経て、2019年8月からスポーツニュース部で格闘技(大相撲、ボクシングなど)を担当。前職はスポーツ紙記者。

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