ストーリー野球

プロ野球 中日 大野雄大投手の野球人生の夢! 東京オリンピックで金メダル獲得を

2021-07-08 午前 10:15

東京五輪で野球が復活することが決まった、そのときからだった。「代表に選ばれたい」と、ひそかに闘志を燃やして5年。紆余曲折はあったが、日本代表に選出された。中日のエース、大野雄大は五輪の大舞台に挑む。

東京五輪は “野球人生の1つの夢”

大野 雄大 投手

東京五輪というのは僕の“野球人生の1つの夢”なので、どんどんアピールしていかないといけない。

 

去年2月の沖縄キャンプで、日本代表の稲葉篤紀監督が視察に訪れたときのことばだ。稲葉監督が到着するまで1時間近く投げ続けた。当時は、必死にアピールする立場だった。

 

そして迎えた2020年シーズン。序盤はもたついたが、その後は45イニング連続無失点の球団新記録を達成するなど、自己最多に並ぶ11勝をマークし、防御率1.82、奪三振数は148で、2年連続の最優秀防御率、初の最多奪三振のタイトルを獲得した。

 

 

加えて6つの完封を含む10完投も評価され、先発投手としての最高の栄誉、沢村賞も初めて受賞し、言葉どおりアピールした。そして「野球人生の夢」である東京五輪代表をつかみとった。

 

大野 雄大 投手

『選ばれたいな』と、ひとつの目標として、ここ数年プレーしていたので、うれしい気持ち。

苦労の3シーズン

大野 雄大 投手

東京五輪で野球が復活することになってから、順調なシーズンを毎年送れていたかって言ったら、そうではなくて、ほど遠いところにいたころもあった。

 

ここまで来るのには、一筋縄ではいかなかった。東京五輪で野球の復活が正式に決まったのが、2016年8月。大野は2016年のシーズンから、2年連続で7勝をあげながらも負けが先行。2018年は1勝もあげることができず、気持ちとは裏腹に成績は思うようにふるわなかった。

“行き着いた先”はシンプルな投球

 

試行錯誤のさなか、2019年のシーズン中、大野はあることに気づいたという。今シーズン序盤、打線の援護に恵まれず、なかなか勝ちがつかない大野に「ピッチングをよくするために、何か変えたことはないか」という質問にこう答えた。

大野 雄大 投手

そういうことはよくやっていましたけど。2019年くらいに野球に対するルーティンを変えてみたが、何も変わらなかった。

 

「球場に入るときは左足から」とか、「野球のソックスは右足からはく」など、いわゆるルーティン、簡単に言えば“験担ぎ”を行う選手も多い。調子が悪いとき、変えたり、数を増やしたりするのも1つの手法なのかもしれないが、大野は“験担ぎ”に頼らないと言う。

大野 雄大 投手

それはプロじゃないというか。試合で出た課題を潰していって、次の試合で勝てるように練習することを一番大切にしている。


何かにすがるのではなく、導き出したのはいたってシンプルな考えだった。PLAN=計画、DO=実行、CHECK=評価、ACTION=改善。

 

 

この「PDCAサイクル」の積み重ねが大野を作り上げ、2019年シーズンは復調し、ノーヒットノーランを達成するなど、初のタイトルとなる最優秀防御率を獲得した。

 

そして、2020年には沢村賞の受賞まで上り詰めた。そのいたってシンプルな取り組み。それは「速球に磨きをかける」という自身のピッチングの原点に立ち戻ることだった。数字にも表れている。ここ数年でストレートの平均球速が約145キロと、5キロほど速くなっている。

 

30歳を越えて、なお成長を続けるピッチングが、代表内定にこぎつけた要因だと感じた。

「チーム愛」そして、変わった目標

大野 雄大 投手

ほんまに自分に勝ちがつかなくても、チームが勝てばいいと思って・・・。このチームが大好きで・・・。

 

大野が発することばには、いつも「チーム」に対する人一倍の愛情を感じる。事実、昨シーズンオフには、新たに取得したFA権を行使せず、中日に残留、仲間とともに高みを目指すことを選んだ。

 

五輪で戦う日本代表は、各球団の中心選手がそろうが、言ってしまえば即席のチームだ。団結力が求められるチームにおいて、大野の「チームを思う姿勢」は、必要不可欠である。

 

そして、代表に選ばれた際の記者会見で、こう答えた。

大野 雄大 投手

ただ選ばれて終わりではなく、金メダルを獲得して初めて喜べると思う。プレッシャーも相当あると思うが、自分のパフォーマンスが最大限に発揮できる準備をして金メダルを取りたい。

 

5年間「東京五輪の代表に選ばれたい」という目標は「金メダル獲得」に変わった。もちろん、経験豊富な左腕へ指揮官の期待も大きい。

 

野球日本代表 稲葉 篤紀 監督

大野投手は貴重な左投手なので、どちらかと言えば、先発というところで期待したい。

 

稲葉監督は、明確に「先発陣の柱の1人」と位置づけた。

“夢の舞台”での活躍を

 

東京五輪がまもなく開幕する。今シーズンは、昨シーズンのような相手を圧倒するピッチングが十分に発揮できず、負けが先行する苦しい内容が続いている。ただ、この5年間、目指し続けてきた五輪の舞台で、自身の経験を惜しむことなくぶつけて、日本の金メダル獲得をたぐり寄せることを期待したい。

この記事を書いた人

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竹内 啓貴 記者

平成27年NHK入局

横浜局ー沖縄局を経て、名古屋局で中日ドラゴンズを担当。小学校から大学まで野球を続けるも、社会人となって体重30キロ増で見る影もない。ちなみにポジションは投手でした・・・。

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