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特集 横綱 白鵬 正念場の15日間始まる 大相撲名古屋場所

相撲 2021年7月5日(月) 午後0:55

白星を挙げた横綱は、これまで目にしたことのない非常に厳しい表情を見せた。鬼の形相とでもいうのか・・・。

 

史上最多44回の優勝をはじめ数々の大記録を打ちたててきた白鵬にとって20年を超える土俵人生で、最大の正念場となる15日間が始まった。

 

 

右ひざの手術などの影響で、先場所まで途中休場も含めて6場所連続で休場し、今場所に進退をかける意向を示している横綱。

 

ことしの春場所2日目以来となる土俵に、2年ぶりの本場所を待ちわびた地元、名古屋の相撲ファンが横綱土俵入りから大きな拍手を送り結びの一番を待った。

 

 

場所の流れを左右しかねない初日は新小結・明生との一番。立ち合いで鋭く踏み込み、右で張って組み止めた白鵬。右上手を取るが一気に決められず、逆に明生に前に出られた。それでも踏みとどまって最後は土俵際の掛け投げで制した。勝負を決めた直後、非常に厳しい表情を見せた。

 

ひざに痛みを感じたのか、それとも3か月半ぶりの取組への気合いがそのまま表情に出たのか。取組後のインタビューで表情について問われた白鵬は「それは千秋楽に言います」と真意を明かさなかった。

 

 

一方で、初日の白星については「いろんな思いがあった。“ただいま”って感じでしたね」と久しぶりの本場所での一番を振り返り、大事な土俵での大きな1勝となったことだけは確かだ。

 

場所前にはみずから“進退”の意味について「初めは最後の場所という意味かと思っていたが、“進退”という言葉の意味を理解できるようになった。進むのか、退くのか、止まるのかというね」。

 

 

まずは白星で始まった15日間、この先の道のりを決められるのは白鵬本人のみ。最後にどんな表情を浮かべているのか、それは横綱だけが知っているのかもしれない。
            

 

 

 

 

この記事を書いた人

小野 慎吾 記者

小野 慎吾 記者

平成28年NHK入局。岐阜局を経て、2019年8月からスポーツニュース部で格闘技(大相撲、ボクシングなど)を担当。前職はスポーツ紙記者。

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