ストーリー野球

プロ野球 西武 平良海馬 投手の飽くなき探究心 「東京オリンピックでは金メダルを」

2021-07-05 午後 07:10

西武の最速160キロ右腕、平良海馬。今シーズンは自慢のストレートを封印し、変化球を軸にしたピッチングで連続無失点試合のプロ野球新記録を達成した。飽くなき探究心で進化を遂げた21歳の思いに迫った。(データは7月2日時点)

開幕から連続無失点 プロ野球新記録を達成

 

沖縄・石垣島出身の平良は八重山商工からドラフト4位で入団した4年目。身長1メートル70センチ、体重100キロとどっしりとした体格だ。去年は新人王に輝き、今シーズンは開幕からいまだ失点がない。そして開幕からの連続無失点試合と開幕に限らない連続無失点試合の2つのプロ野球新記録を達成した。

 

平良 海馬 投手

プロ野球史に名前を残せたということはうれしいです。おととしから1軍に上がって、たくさん打たれて、負け投手にもなって、そこから調整とかがだんだんわかるようになってきた。今いい結果が出ていると思います。自主トレからやってきたことが、シーズン中も継続できているのが、一番の要因だと思います。

オフから変化球の精度向上に取り組む

 

去年は54試合の登板で防御率1点台をマークして新人王に選出。さらなる成績アップを目指し、オフから取り組んでいるのが変化球の精度向上だ。昨シーズンは終盤にストレートが狙われていると感じたため、ピッチングの幅を広げるのが狙いだった。

 

 

2月のキャンプには自費で購入したボールの回転数や軌道などを計測する機器を持ち込んだ。

 

ブルペンではボールの変化量や縦の回転数などを1球1球、入念に確認しながらの投球練習。自分の感覚と客観的なデータのずれをなくすため、リリースポイントを微妙に修正するなどした。

 

シーズンが開幕しても50メートルから60メートルの距離で行うキャッチボールで変化球を投げ、その中で曲がり幅をコントロールするきっかけをつかんだという。

 

平良 海馬 投手

感覚がよくなって、コントロールもよくなって、いいカウントで勝負できています。変化球はどういう回転の向きで投げたほうがいいのかとか、どういう球速で投げたらいいのかを確認しています。感覚と実際の数値の違いを知っているのと、知らないで練習するのは違うので、試合でいろんな工夫をして投げています。そして試合後にデータを見て、この球は、何センチ伸びているボールだったとかっていうのを見ながら、いいポジションを探しています。

“脱ストレート”で光る変化球

 

変化球に手応えをつかんだことで、投げる球種の割合に大きな変化が出ている。

 

昨シーズンはストレートが全体の55%を占めたが、今シーズンは37%に減少。変化球が投球の50%を超えたのだ。

 

平良 海馬 投手

いい結果出てるので、今後も続けます。スライダーは見てわかるかもしれないですけど、曲がる方だと思うので、それをどう使うかというところです。右バッターにも、チェンジアップを投げられるようになってきて、去年はそういうのが1球ぐらいしかなかったんですけど、ことしは結構投げることができて、打者の反応も違うんじゃないかなと思っています。

指揮官も全幅の信頼

 

2つの記録を打ちたてた平良は役割の変化にも動じない。シーズン当初はセットアッパーだったが、去年セーブ王の増田達至投手が不調で登録を抹消されると、抑えを任された。最初は緊張したと言うが、ここまで11セーブをマーク。辻発彦監督は若き抑えに全幅の信頼を寄せている。

 

辻 発彦 監督

ピンチになっても動じないというか、堂々と投げるところが一番のいいところ。昨年に比べて、さらにいろんなことをあいつは向上心をすごく持って取り組んで、変化球もたくさん覚えて。ピンチの時でも、変化球を腕を振って投げられるとか、そういうところが成長ですかね。変化球全部でストライクを取れるしね。1点も取られていないので、本当にすごいなと思いますよ。

東京五輪の金メダルへ “楽しんでプレー”

 

平良に、変化をいとわず成長を追い求める理由を尋ねると「やっぱり野球が楽しいからですね」と答えた。新型コロナウイルスの影響で、野球から離れていく子どもたちがいることを知り、野球の楽しさを伝えたいという思いが芽生えた。

 

代表メンバーに選ばれた東京オリンピックでは、自身のピッチングを通して、少しでも希望を届けたいと意気込む。

 

平良 海馬 投手

コロナで野球から離れてほしくないので、やっぱり自分が活躍して、こういう選手になりたいって思ってくれて、野球する人が増えたりとか、継続できたりっていうことがあったらいいと思っています。楽しんでプレーして、自分の出る場面が来れば、100%の仕事ができるように準備します。金メダルを目指して頑張ります。

 

東京オリンピック、その先のシーズン後半にどのような快投を見せるのか。平良のマウンドにこれからも注目したい。   

 

この記事を書いた人

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持井 俊哉 記者

平成26年NHK入局

北九州局を経て、スポーツニュース部。小1から剣道をはじめ、現在、5段。「打って反省、打たれて感謝」をモットーに何事にも謙虚に誠実にチャレンジすることを目指す。

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