ストーリー水泳

みんなクロール、なのになぜ「自由形」?

2018-08-10 午前 0:00

突然ですが、水泳の種目、ご存じですか?

自由形に平泳ぎ、背泳ぎ、バタフライ、そしてメドレー…。
そう、水泳と言えばまず“自由形”。でも、自由形の選手の泳ぎ方って、実際は全員クロール、ですよね?ではどうしてクロールという種目ではなく「自由形」と呼ばれているのでしょうか?考えたこと、ありますか?

衝撃!クロール=最速、ではなかった!?

 

自由形というのは、名前の通り、どんな泳ぎ方でも速ければ勝ち!という種目です。ですので本来は、クロールでなくバタフライや平泳ぎで泳いでも反則にはなりません。

 

それでも、どの国のどの選手をみても、なぜかみんなクロール。

…ということは、クロールが一番速い泳ぎ方だからみんなクロールなんだと思っていませんか?

 

じつはそうではありません!人類にはクロールより速い泳ぎ方も存在するのです!

 

つまりみんなクロールなのに自由形と呼ぶのは

クロールより速い人類最速の泳ぎ方があるから」。

 

“自由”なので、人類最速の泳ぎ方で泳いだっていいのです!

昔は自由形=平泳ぎだった!

人類最速の泳ぎ方を知る前に、自由形の歴史を探ってみましょう。

 

自由形の始まりは、なんと1896年。第1回のオリンピック アテネ大会から実施されている伝統ある種目なのです。

 

 

しかし当初の自由形は、クロールではなく全員「平泳ぎ」で泳いでいました。

 

なぜなら、当時の水泳では息継ぎという概念がなく、顔を水面につけずに泳ぐ平泳ぎが主流で、自由形以外の種目は存在すらしていませんでした。

 

 

そんな平泳ぎから始まった自由形ですが、1896年のアテネオリンピック後、息継ぎをしなくてよく、そのうえ平泳ぎよりも速い泳ぎ方が出現します。

それが「背泳ぎ」です!

 

背泳ぎの登場により、自由形では平泳ぎから背泳ぎで参加する人が続出しました。

 

しかし、水泳大会の主催者は、この事態を歓迎しませんでした。なぜなら、背泳ぎのように大きく腕を回してバシャバシャと水しぶきを立てるのは、“紳士的”ではなかったからです。

背泳ぎの独立により、水泳の種目が増えた!

 

紳士的ではないという理由で好まれなかった背泳ぎですが、自由形には認められなかったものの、背泳ぎという種目として独立することとなりました。

 

そして1900年の第2回パリ大会では、水泳は平泳ぎとして参加する「自由形」と、「背泳ぎ」という2つの種目が採用されたのです。

 

しかしパリオリンピック終了後、自由形にはまた新たな泳ぎ方が…!そう、「クロール」の登場です!

息継ぎのある新しい泳ぎ方は瞬く間に広がり、自由形の座は平泳ぎからクロールに奪われてしまったのです。

 

しかし、水泳大会の主催者たちは、伝統ある平泳ぎがなくなってしまうことを危惧します。

 

 

背泳ぎのように自由形からクロールを独立させることも考えますが、こうして新たな泳ぎ方が出るたびに、平泳ぎの存続が危ぶまれてしまう…。

 

そこで、伝統のある平泳ぎを確実に守るため、ついに自由形から平泳ぎが独立!

 

 

1904年、第3回セントルイス大会では、クロールで泳ぐ自由形と、背泳ぎ、そして平泳ぎの3種目が行われるようになりました!

 

以後およそ100年間、自由形には新しい泳ぎ方が現れず、クロールで参加することが当たり前になったのです。

西暦2000年、自由形の歴史に革命がおこる!

第3回セントルイス大会から約100年、クロールが当たり前になっていた自由形に革命がおこります!

 

それは、2000年のシドニーオリンピック、男子4×100メートル自由形リレーの決勝でのこと。オーストラリア代表のマイケル・クリム選手が、新しい泳ぎ方で世界記録を更新したのです。

 

右から2番目マイケル・クリム選手

 

その泳ぎ方とは…なんと!

手はクロールのまま、足はバタフライのドルフィンキックで泳ぐというもの!

 

 

この泳ぎ方は「ドルフィン・クロール」と名付けられ、クリム選手は世界記録を更新することになり、人類最速の泳ぎ方となったのです。しかし、今でも自由形の主流は通常のクロールです。

 

というのも、ドルフィン・クロールは、普通のクロールにくらべ腰や背筋への負担が大きく、体力の消耗が激しいのです。とても100メートル泳ぐのには適していないため、最速に泳げるとわかっていても、主流になれていないというわけなのです。実際にクリム選手も最後の数メートルだけ、この泳ぎ方で泳ぎました。

 

もし、ドルフィン・クロールが今後、自由形の主流になっていけば、クロールが独立する日も来るかもしれません!

ちなみに、バタフライの成り立ちは…?

 

先ほど自由形の歴史を探ってみましたが、1つ登場しなかった泳ぎ方があります。そう、バタフライです!

 

バタフライが誕生したのは、平泳ぎを守るために、と自由形から平泳ぎを独立させた後でした。

 

「平泳ぎ」のルールは

① うつ伏せで泳ぐこと
② 左右の手足の動きが対称であること

の2点です

 

このルールはバタフライも同じように当てはまることにお気づきでしょうか?

 

ということはまさか…。そう、そのまさかです。平泳ぎの優勝者が全員バタフライで泳いだというオリンピックがあった!!のです。

 

そこで、今度はバタフライを平泳ぎから独立させ、水泳は現行の種目となったのです。

 

 

「平泳ぎを残したい!」という想いのために、さまざまな種目が独立することとなったんですね!

 

 

水泳の自由形には、オリンピック第1回大会からの長〜い歴史がありました!

東京オリンピックでは、果たして新たな泳ぎ方が登場するのでしょうか?自由形のこれからの歴史も楽しみですね!

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