ストーリーラグビー

ラグビーの気になる話(6)「代表に外国出身選手の理由」

2018-10-05 午前 0:00

今回の『気になる』は、日本代表で活躍する外国出身選手についてです。強豪の南アフリカに勝つなど3勝をあげた3年前のワールドカップでも、キャプテンを務めたリーチ・マイケル選手など外国出身選手が日本の躍進を支えました。

 

代表チームに外国出身選手が多くいるのはなぜか。この疑問に答えるとともに、来年の日本大会に向けて、ぜひ覚えておきたい選手にクローズアップします。

どんな選手が代表になれるの?

ラグビーW杯 日本代表 (2015年)

 

ラグビーの国際統括団体「ワールドラグビー」は、代表選手の資格について、次のように定めています。

<代表選手の資格条件>

①当該国で生まれている。
②両親もしくは祖父母の1人が当該国で生まれている。
③当該国に3年以上継続して居住している。
この3つの条件のいずれかを満たしたうえで、他の国での代表歴がない。

 

つまり、ラグビーでは、国籍を持っていない国の代表選手になることができるのです。

ちなみに、11月に行われるニュージーランドとのテストマッチや、その後のイギリス遠征に向けた日本代表35人が1日に発表されましたが、3分の1以上の12人が外国出身の選手です。

覚えておきたいハッティング選手

今回発表された35人のメンバーには入っていませんが、今後、日本に大きなプラスアルファをもたらすと期待されている選手がいます。

 

グラント・ハッティング選手

 

南アフリカ出身の28歳、グラント・ハッティング選手です。来日してから2年11か月、トップリーグの神戸製鋼でプレーしています。

まもなく日本に3年以上継続して居住しているという条件を満たし、代表資格を得る見通しです。

ハッティング選手の一番の強みは高さです。身長は2メートル1センチ。

 

グラント・ハッティング選手(写真右)

 

いまの日本代表にここまでの長身の選手はいません。その威力は、サイドラインからボールを投げ込むセットプレー、「ラインアウト」で発揮されます。

誰よりも高い位置でボールをキャッチすることができるため、しっかりと攻撃の起点を作り出せるのです。

 

ラインアウトは日本の長年の課題でした。ハッティング選手は、日本の選手では補いきれない「高さ」をもたらす選手として期待されています。

 

 

さらにスピードにも光るものがあります。ポジションは、スクラムの2列目を担うロックですが、いざパスを受けると、ディフェンスの間を素早く抜ける鮮やかなステップも見せます。

9月14日のトップリーグ第3節では、ボールを持って抜け出すと、相手ディフェンスを引きつけながらパスを出し、先制トライにつなげるすばらしいプレーを披露しました。

 

ハッティング選手自身も「私の持ち味はセットプレーに加えて、ボールを持って走ることです」と自信たっぷりに話していました。

日本代表への思い

ハッティング選手に、来年のワールドカップに向けての質問をすると「日本代表でプレーできる機会があればとても光栄なことです。出身地は違いますが、日本は私に多くのものをもたらしてくれたので日本に恩返しがしたい」と話してくれました。

 

 

試合会場では「こんにちは」「ありがとう」など、時折、日本語であいさつもする気さくな一面も見せるハッティング選手。チームメートとのコミュニケーションにも積極的で、日本代表で戦う準備にも余念がありません。

 

ハッティング選手のように、ラグビーでは、日本への強い思いを胸にプレーする外国出身の選手がたくさんいます。

前回のワールドカップでは、キックを蹴る前のルーチンで注目を集めた五郎丸歩選手がSNSで呼びかけ、話題となりました。

 

五郎丸歩選手

日本代表にいる外国出身の選手にもスポットを当てて欲しい。彼らは母国の代表より日本を選び、日本のために戦っている最高の仲間だ。国籍は違うが日本を背負っている。これがラグビーだ。

 

来年の日本大会では、日本選手に加えて、外国出身の選手にもぜひ注目してほしいと思います。

 

永井宏美

スポーツ番組部ディレクター
平成28年入局、スポーツ番組部で現在3年目。
2015年のラグビーワールドカップに感動してラグビー担当を志願。現在猛勉強中。

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