ストーリーラグビー

ラグビーの気になる話(8)「快足男の意外なこだわりと決意」

2018-10-17 午前 0:00

来年のワールドカップまで1年を切るなか、日本代表の強化合宿が宮崎市でスタートしました。合宿には36人の選手が参加。

 

久しぶりの代表復帰を果たした選手もいれば若手も選ばれ、代表争いはますます激しくなっていきそうです。

今回の気になるは、合宿の参加メンバーからウイングの福岡堅樹選手。快速が持ち味の26歳、意外なこだわりも持っています。

"加速は誰にも負けない" 50m5秒8の韋駄天

福岡選手のポジションはウイング。トライをとるのが大きな役割です。

 

 

身長は1メートル75センチとラガーマンとしては小柄ですが、50メートルを走るタイムは5秒8。

相手を一瞬で抜き去るスピードが持ち味です。

 

HSBCアジア5カ国対抗戦 (2013年)

 

大学時代から日本代表に選ばれ、これまでテストマッチ27試合に出場し、通算17トライをあげています。

福岡堅樹選手

瞬間の加速は負けない。世界で戦える武器だと思っている。

 

福岡選手は、胸を張って話します。

日本代表での役割は"トライだけにあらず"

日本代表で、福岡選手が持ち味を発揮する場面があります。

 

「キックチェイス」。

 

キックを使って、ボールを高く蹴り上げたり、守備の薄いところに転がしたりしたうえで、素早く追いかける戦術です。

 

 

福岡選手はそのスピードを生かして、ボールの行く先へ、誰よりも早く駆けつけ、相手チームの選手と空中で激しく競り合ったり、果敢にタックルしたりし、再び、ボールを奪う場面は何度も見られます。

福岡堅樹選手

トライを取るだけではなく、トライするまでのどこか1ピースとして、勢いを与えたいと常に思っている。
泥臭いプレーも積極的にやるようにしている。

 

 

そして、日本代表のジョセフヘッドコーチも「俊足だし、勇敢だ。チームの鍵となる選手の1人だ」と福岡選手を高く評価します。

 

キックで相手にプレッシャーを与え、流れを引き寄せる。

それが、いま日本が目指すラグビーであり、福岡選手に大きく期待されている役割です。

意外なこだわり

そんな福岡選手のこだわりが、コーヒーです。

 

みずから豆をひき、注ぎ口が細い専用のポットを使って湯を入れ、コーヒーを抽出。

 

イメージ

 

食後や寝る前に1杯飲み、練習や試合で疲れた体をいたわりつつ、リラックスしています。

 

海外遠征の相棒は、知り合いの勧めで購入した、豆をひく小型の機械。豆は遠征先でも調達し、いつもの1杯を楽しむということです。

福岡選手の覚悟とは

福岡選手は強い覚悟を持って、来年のワールドカップに臨もうとしています。

医師の家系で育った福岡選手。祖父も父親もその道に進み、自身も子どもの頃から憧れてきました。

福岡選手は、学生時代、足に大けがをしたときに、丁寧な治療をしてくれた医師の姿を見て、いつかは医師になりたいという思いを強くしました。

 

 

福岡選手は「中途半端な覚悟にならないように」と来年のワールドカップで15人制の代表から引退する決意です。

 

そして、2020年東京オリンピックに向けて、7人制の代表に挑戦した後、競技からは退き、大学の医学部を目指す計画です。

このため、福岡選手は日頃から練習や試合の合間を縫って、毎日1時間程度、参考書を読み込むなど努力を積み重ねています。

いざ世界最強との戦いへ

ニュージーランド代表

 

日本は今回の合宿を経て、来月3日に世界ランキング1位のニュージーランドとのテストマッチを行います。

福岡選手にとって、ニュージーランド戦は初めてではありません。

 

ラグビーテストマッチ 「日本」対「ニュージーランド 」(2013年)

 

5年前に対戦し、結果は完敗。福岡選手も終了間際にトライを奪う絶好のチャンスがありましたが、最後に押し出され、力不足を痛感しました。

 

その悔しさをバネに、世界最高峰のスーパーラグビーなどで、ニュージーランドの選手たちと真剣勝負を重ねてきました。

 

 

自分のスピードに自信を深め、レベルアップを実感しながら迎える来月の試合。

絶対に同じようなやられ方はしないと、世界最強に挑む心構えは万全です。

福岡選手

日本代表でプレーする機会は、本当に残り少なくなってきた。一瞬一瞬100%で勝負して、より最高の自分で2019年に到達できるように努力を続けたい。

 

福岡選手は、強い決意で、大舞台への道を突き進んでいます。

中村大祐

スポーツニュース部 記者
平成18年に入局。奈良放送局の後、福岡放送局を経て、平成25年の夏に政治部に異動し、厚生労働省や防衛省などを担当。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて去年夏からスポーツニュース部に。高校・大学とラグビー部に所属し、ポジションはバックス。

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