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河瀬直美氏 "世界の人の心を動かす物語性をもった作品に"

2018-10-25 午前 0:00

2020年の東京オリンピックを描く公式映画の監督を、映画監督の河瀬直美さんが務めることになりました。

これは10月23日に、大会組織委員会が発表しました。

河瀬監督 カンヌ映画祭で部門グランプリなど

 

映画監督の河瀬直美さんは、奈良県出身の49歳。

 

 

平成9年に劇場映画デビュー作「萌の朱雀」で、世界3大映画祭の1つカンヌ映画祭の新人監督賞にあたるカメラドールを日本人で初めて受賞しました。

 

 

そして、平成19年のカンヌ映画祭では、介護や出産の経験を元にみずから脚本を書いた「殯の森」がコンペティション部門で最高賞に次ぐグランプリを受賞しています。

 

河瀬監督はドキュメンタリーも撮り続けていて、生き別れた父親を探しながらみずからの出自を問う「につつまれて」や、出産をテーマにした「玄牝ーげんぴんー」など、数々の作品を発表しています。

オリンピックの公式映画とは

ストックホルム大会 (1912年)

 

オリンピックでは、IOC=国際オリンピック委員会との取り決めで大会を描く公式映画が製作されることになっていて、オリンピックの公式映画は、第5回大会の1912年ストックホルム大会から作られています。

 

ベルリン大会 (1936年)

 

公式映画は「記録」だけでなく「芸術」としても注目され、1936年ベルリン大会の「民族の祭典」は、古代ギリシャを意識した肉体美の表現など、監督の演出による芸術性が高く評価された一方、ナチス政権の宣伝だと批判も受けました。

市川崑さん

 

1964年東京大会の「東京オリンピック」は、映画監督の市川崑さんが監督を務め、冒頭と最後のカットに平和の象徴として太陽を使用し、オリンピックを平和の祭典として描きました。

 

この映画は1950万人を動員し、平成13年に「千と千尋の神隠し」に抜かれるまで、観客動員数の日本歴代1位でした。

 

グルノーブル大会 (1968年)

 

また、冬のオリンピックでは、1968年グルノーブル大会の「白い恋人たち」がそのテーマ曲とともに知られています。

 

佐々木宏さん

 

2020年東京パラリンピックの式典の責任者で、クリエーティブディレクターの佐々木宏さんも影響を受けたということです。

 

篠田正浩

 

また、1972年冬の札幌オリンピックでは、篠田正浩さんが監督を務めました。

オリンピックの歴史に詳しい、首都大学東京の舛本直文特任教授は「記録を重視するのか物語を重視するのか、監督次第のところがある。テレビの記録性とは違う、映画ならではの表現のしかたがあると思うので後世に残る印象的なものになってほしい」と話しています。

「柔軟に心を添わせたい」

河瀬監督

大変驚いています。内容はこれからで、ドキュメンタリーは構成が大事だが、起きることに柔軟に心を添わせていきたい。

オリンピックに向けての自分の役割は非常に大きなものをいただいているが、いつものごとく等身大で全うしていきたい。

単なる記録ではなく今の日本にオリンピックでどのような変化があるのか、物語性をもった作品にすることが、世界の人の心を動かすことになるのではないかと思う。

 

また、河瀬監督は大会本番だけでなく、東日本大震災からの復興やボランティアにも焦点をあてたいとしています。

河瀬監督

今から時間が許す限り、事前にカメラを向けられる場所に足を運んで撮影していきたい。

さまざまなところにドラマが始まっていて、そのドラマを見つめ続けることがドキュメンタリーのだいご味と思っている。

 

組織委員会によりますと、映画の具体的な構想や撮影の手法や時期などは今後詰めることになっていて、映画の完成は、大会の翌年の2021年春になる予定だということです。

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