ストーリー野球

巨人 髙橋優貴 勝負の3年目、けがで離脱の悔しさバネに

2021-06-01 午前 11:00

絶対的なエースを欠く巨人の投手陣を左腕の髙橋優貴(24)が引っ張っている。

 

開幕直前に原辰徳監督から「闘争心がないように見える」と2軍行きを命じられた。

 

そこから這い上がり、リーグトップの勝ち星をあげている。※記録は5月29日現在。

早くも自己最多の勝ち星を更新も苦悩

 

5月26日の楽天との交流戦。髙橋は8回途中まで2点に抑え、4試合ぶりの白星を手にした。

 

自己最多の6勝目に「ひとつ成長できたところかな。キャリアハイというのはきょうまで」と先を見据えた。

 

5月26日の楽天戦後のヒーローインタビュー 真ん中が髙橋投手

 

3年目の髙橋はスライダーとスクリューボールが持ち味。八戸学院大学からドラフト1位で入団した。1年目に先発で5勝をマークしたが、2年目の去年はひじを痛めて、わずか1勝に終わった。

 

髙橋 優貴 投手

あまり大きなけがをしたことがなかったので、いつ治るのかなと思っていました。夜寝る時に治っていてほしいと願っていても、朝起きた時によくなっていなかった。

 

リハビリに取り組む中、高校卒業2年目の戸郷翔征がエース・菅野智之に次ぐ9勝をあげたほか、直江大輔など同期入団のピッチャーも1軍デビューを果たした。「去年1年間はマウンドに上がれない悔しさがすごく多かった」と振り返る。

勝負の3年目も開幕直前に2軍落ち

1月1日から自主トレーニングを始めた3年目の今シーズン。キャンプでの調整は順調だった。

 

3月14日の阪神戦に先発した髙橋投手

 

それが3月14日の阪神とのオープン戦。5回1失点にまとめたが、原監督から「闘争心がないように見える」と指摘され、開幕を前にまさかの2軍落ちとなった。

髙橋 優貴 投手

映像を見ると、そう受け止められる部分があったと感じました。絶対によくない。何か足りない部分があったのは間違いないと思うので、しっかり自分を見つめ直すことができた期間になりました。

 

それでも開幕直前の2軍戦で好投して、先発ローテーション最後の6番目に滑り込んだ。

 

開幕5連勝をアピールする髙橋投手

 

シーズンが開幕すると、5連勝を含め5月末までで、リーグトップの6勝をマークし、右ひじの違和感で離脱しているエース・菅野を欠く中で先発投手陣を引っ張る存在になっている。

髙橋 優貴 投手

技術面がよくなったというのは正直ないんですけど、気持ちの面ではオープン戦後に、多少なりとも変化があったからこその好成績だと思います。試合のイニングの合間に宮本コーチ、桑田コーチが来てくれて、しっかり自分の中で気持ちの整理をしてマウンドに上がれていることが結果につながっています。

変化球は強いストレートがあってこそ

 

マウンドでの気持ちの変化に加え、手応えを感じ始めているのがストレート。けがをする前と比べて平均球速は落ちているが、球速で測ることができない強いボールを投げられているという。

 

これは今シーズン就任した桑田真澄投手チーフコーチ補佐の存在が大きい。桑田コーチは髙橋に対して、キャッチボールでも試合の時と同じようにマウンドの傾斜を使って行うようアドバイスしている。髙橋は、2月のキャンプから、それを実践し続けている。

 

髙橋 優貴 投手

桑田コーチからは『傾斜を制してこそ、いいピッチャー』という話があった。1週間で投球練習を含め、(キャッチボールを含めると)ブルペンに2回3回と入るようにやってきた。そういうことも多少、結果に出ているのではないかなと。

髙橋投手がグラブに刻んだことば

髙橋がグラブに刻んでいることばがある。それは「磨穿鉄拳(ませんてっけん)」。強い意志を持ち続け、物事を達成するまで変えないことを意味する。

 

髙橋 優貴 投手

1日1日、特にマウンドに立つ時に決めたものを、しっかり貫いてやっていけば、おのずといい結果がついてくるのではないか。

 

本来は「磨穿鉄硯」だが、食うか食われるかのプロの世界に身を投じた今、あえて「硯」を「拳」にしていると明かした。

逆境をバネに悲願の日本一へ

去年はけがで悔しい思いをして苦い1年間になったが、意味があったと思えるようにしたい。髙橋は勝負の3年目、最後まで先発ローテーションを守る覚悟だ。

 

髙橋 優貴 投手

もちろん多く勝つことに越したことはないですけど、やっぱり1年目、2年目で日本一になれていないので、チームとして日本一になれるように、そのために一生懸命、腕を振りたい。


            

 

 

 

この記事を書いた人

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川本 聖 記者

平成22年NHK入局。さいたま局、宮崎局、松山局を経てスポーツニュース部。

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