ストーリーラグビー

ラグビーの気になる話(11)ジョセフヘッドコーチ 誕生日の誓い日本代表イギリス遠征ルポ②

2018-11-22 午後 0:00

来年のワールドカップ日本大会に向けた強化のため、イギリスに遠征中の日本代表。強豪、イングランドとのテストマッチを終え、18日からはロンドンの西、チェルトナムに移動し、次のロシア戦に向けて練習を再開しました。

練習の公開は、引き続き10分程度と緊迫ムードが続いていますが、ジェイミー・ジョセフヘッドコーチが笑顔を見せた瞬間がありました。

49歳を迎えたジョセフコーチ

その瞬間が訪れたのは、11月20日。ジョセフヘッドコーチ、49歳の誕生日の前日でした。

報道陣から、ささやかなお祝いとして、ケーキをプレゼントすることにしました。

 

 

ただ、チームのスタッフから「ヘッドコーチは、イングランド戦の後もピリピリしている」と聞いていたので、練習を終えたジョセフヘッドコーチが厳しい表情で、ケーキを用意した部屋に入ってきたときは、少し身構えてしまいました。

 

それでも、年齢の「49」とワールドカップ日本大会を表す「2019」の形をしたろうそくが飾られたケーキを見ると、表情がやわらぎました。

そして「ありがとう。みんなで切って食べよう」と日本語を交えながら感謝の言葉を伝え、ろうそくの火を吹き消しました。

誕生日の誓いは

この席で「49歳をどんな年にしたいか」と質問が出ました。

私は来年のワールドカップでの成功について話すと思いましたが、ジョセフヘッドコーチが力強く語ったのは、目の前のロシア戦に向けた強い決意でした。

 

ジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチ

チームを誇らしく思う。我々は成長しているし、次は違うチャレンジになる。トゥイッケナムのイングランド戦ほどの話題性がなく、田舎町でのロシアとの試合になるが、リーダーシップの力量が測れると思う。

体格の大きいチームにチャレンジするので、フィジカル面も試練になる。寒いし、グラウンドもどろどろだ。日本のスタイルに合わない環境の中でちゃんとラグビーができるか。結果を出したい。

ロシア戦が大切な理由

 

ロシアは、来年のワールドカップの開幕戦で対戦することになっていて、このテストマッチが、相手を知る上で重要な機会であることは分かります。

ただ、世界ランキングは19位で、日本の11位よりも下、勝つことも難しくないはずです。ただ、ワールドカップまでに残されたテストマッチは数試合。世界の強豪からの勝利を目指す日本にとって、1試合も無駄にできません。

 

中村亮土選手

 

ジョセフヘッドコーチの「ロシア戦がこの遠征で一番大切だ」という思いは、選手たちにも伝わっています。

センターの中村亮土選手は「ここまで対戦した世界選抜やニュージーランド、イングランドと比べたら、驚異ではない相手。それだけに自分たちのメンタリティーを保って、ベストパフォーマンスをするという面では、一番大事な試合だ」と話しました。

 

 

また、スクラムハーフの流大選手は「秋4試合目というのは疲労もたまっていて、モチベーションもちょっと難しくなってくる。寒いですし、天候もそんなに良くない」と試合への緊張感を高めています。

 

選手のコンディションや会場の環境が、日本にとって厳しい条件の中でも、世界の強豪との一戦と同じ心構えで臨むこと、そして、相手に隙を見せずに精度の高いプレーを見せて勝つことが求められている一戦、いわば内容が問われる難しいテストマッチなのです。

ことしの集大成へ

タックルや密集での攻防の精度、それに攻守が切り替わった場面での素早い反応やコミュニケーションなど、日本はまだまだ成長していかなければなりません。

 

 

今回のイギリス遠征の期間中は、特に密集での攻防に力を入れて練習し、今週はタックルの質を上げることも意識して練習を重ねています。ロシア戦は、ことしの集大成となる一戦となります。

 

ジョセフヘッドコーチは誕生日を祝った席で「ラグビー以外でやりたいことは」という質問に「まず家族と会いたいです。3か月半くらい子どもにも会っていないので」と話し、私生活でも目の前のことにフォーカスしていました。いい形で遠征をしめくくってほしいと思います。

中村大祐

スポーツニュース部 記者
平成18年に入局。奈良放送局の後、福岡放送局を経て、平成25年の夏に政治部に異動し、厚生労働省や防衛省などを担当。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて去年夏からスポーツニュース部に。高校・大学とラグビー部に所属し、ポジションはバックス。

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