ストーリーラグビー

奥様はラグビー嫌い!そんなラグビーダイナーが繁盛するまで

2018-12-07 午後 0:00

来年、日本で開催されるラグビーワールドカップ。ファンのみなさんは盛り上がってるけど、なんか置いてかれてる感じ…というそこのあなた!ラグビーは誰にでも楽しめるスポーツなんです。なぜって、ラグビー嫌いの奥様がご主人の店を手伝っているうちに大のラグビー好きになったっていうんですから!そんなラグビーダイナーを営むご夫妻を訪ねました。

 

試合がある日にはラグビーファンでごった返すというこのお店。中にお邪魔すると…

 

広いっ!

 

選手直筆サイン入りのユニフォームが

 

ワールドカップのペナントも!

 

そして迎えてくれたのは…お店のマスター!

 

ラグビーボールがとってもお似合い!

竹内方和(まさかず)さん

高校時代からラグビーを始めたという竹内さん(43)、現在も社会人チームでプレイヤーとして活躍しているんだそうです。ラグビーファンが集う場所を作りたいという思いで、2011年7月、ラグビーダイナーを高田馬場にオープン。

 

──ラグビーの試合の日は大勢のファンで賑わうそうですね?

 

マスター ええ。でもオープンした7年前は、今ほどラグビーは盛り上がってませんでした。ウチにもお客さんが全然来なくて…。

 

試合が終わったあとに競技場の前でお店のビラを配ったりしたんですが、ファンの方からは「ラグビーなんて、生で観てそれだけだよ」なんて言われました。そこで、まずは自分から選手や関係者に話しかけてコネクションを作ろうと思ったんです。

試合会場で選手をナンパ!? 体を張った集客大作戦

──マスターに話しかけられた選手は、どんな反応でしたか?

 

マスター 完全に怪しがられましたね(笑)。

 

でも、ラグビージャーナリストの村上晃一さんと知り合えたことがキッカケで、いろんな方を紹介してもらうようになり、コネクションが広がりました。彼がいなかったらこの店は続いていないですね。村上さんには月に数回、選手を招いたトークイベントのMCをお願いしています。

 

村上晃一さん(左)のトークイベント。この日のゲストは日本代表の大野均選手(右)

 

そのほか多くの方のお力添えがあったおかげで、今では常連のお客さんもたくさん来てくださいますし、1人で訪れてここでラグビー仲間をつくられる方もいらっしゃいます!みんなでラグビーを楽しみたいという、オープン当初から思い描いていた夢に、一歩一歩近づけていると実感しています。

ラグビーファンを増やしたい!

半袖になるほど熱く語ってくれたマスター

 

──開店当初はお客さんが全然来ない状況で、お店を続けられた原動力は何だったのでしょうか?

 

マスター 当時も今も変わりませんが、「とにかく観てもらうキッカケさえつくれれば、必ずファンは増える!ラグビーには、それだけの魅力がある!」という信念だけはブレませんでした。

 

じゃあ、どうすればファンが増えるのか?その答えのひとつとして、2013年頃に、まだまだ数少なかった常連さんと「ノーサイド応援団」を結成したんです。それと、1人が1人を誘ってみんなで応援に行く「ペイフォワードアクション」という活動も始めました。そこからFacebookやホームページを通じて「これまでひとりで観戦してきたんですけど、もし一緒に観られるなら行きたいです」といった方が徐々に増えていったんです。

奥様を“大嫌い”から“大好き”に変えたラグビーの魅力

ここで、マスターの奥様が登場。

 

マスターと共にお店を切り盛りする容子さん

 

──容子さんは最初、ラグビーがあまり好きではなかったとか?

 

容子 いえ、むしろ大嫌いでしたね。(笑)

 

マスター ボクらはお店のオープン日に入籍したんですけど、まあお客さんが入らない。ラグビー場に行こうって言っても行かないし、最初は「旦那さんの仕事として手伝うけど、ラグビーのファンにはならない」って言い切ってましたから(笑)。

 

容子 お店で試合の映像を流しているんですが、音量は大きいし、そもそもラグビーは好きじゃないし。営業が終わったら「すぐに消して!」って言うほどでした(笑)。

 

でもマスターが社会人チームに入っているので、その試合を観に行っているうちに…。

 

──マスターの勇姿をご覧になられたときは、いかがでしたか?

 

容子 すごいことやってるなって(笑)。一生懸命だし、身近な人は応援できるじゃないですか。

 

私がラグビー観戦を本格的に始めたのも、トークイベントに来てくださった選手を応援したいなと思ったのがキッカケで。その選手を応援に行ったんですが、その日は負けちゃったんですね。そしたら試合後に選手が「こんな試合を観せてしまってすみません」って。その言葉にグッときて、また応援に来ようって!

 

今ではマスターを置いて、1人で群馬や愛知、甲府まで遠征してます。現地の知り合いも増えて、みんなで観戦するようになるともっと楽しくなるんですよね。つい最近も、ひいきのチームがラインのギリギリで何度も守っている姿をゴール裏で観ていたら、感動して泣いちゃいました。

 

──一緒に働く奥さまがここまでハマる…。マスターは、まさにラグビーの魅力を伝える“伝道師”ですね!

選手が喜ぶ応援がしたい!

子どもから大人まで、みんなマネした“五郎丸ポーズ”!

 

──マスターはどんな応援をするんですか?

 

マスター 自分がラグビーをやってきてわかるんですが、名前で呼んでくれる応援って、めちゃくちゃうれしいんですよ。野球だとバッターボックスに立てば、その選手にフォーカスが当たりますが、ラグビーにはそういう場面はないし、両チームで30人もいるから、試合中はとかく個々の選手の存在が埋もれがちです。でも、自分がプレーしている時に「竹内がんばれ~!」という応援を聞いてめちゃくちゃうれしかったという経験があるので、日本代表選手の皆さんにも同じことをやりたかったんです。選手の方々からも「あの応援サイコーでした!」という喜びの声をいただけたので、大成功でしたね。

転機は南アフリカ戦での勝利

──超強豪国の南アフリカを相手に日本が大金星をあげましたね。

 

マスター ワールドカップイヤーの2015年には、みんなで赤白のジャージを着て、選手それぞれの応援看板をつくりました。最終的に120人くらいになっていたので、ラグビー場ではすごく目立ちましたね。それをキッカケに、選手の方々もお店に来てくれるようになり、今度はその選手に会いにお客さんが来てくれる。「ノーサイド応援団」のおかげで、そんな好循環が生まれたんです。

 

「ノーサイド応援団」の応援風景。たしかにコレは目立ちます!

 

マスター ビッグゲームに勝つことで、取り巻く環境がこんなに変わるんだって実感しました。テレビ局からの取材の電話が鳴り止まなくて、13局のカメラが取材に来ましたから…。

 

入居する時、ビルのオーナーに「ラグビーのバーを始めます」って言ったら、「大丈夫?続くの?」って心配されたんです。でも、そのオーナーから「南アフリカ戦を観て泣いたよ」って言われて。「あんなちっちゃい日本人が、自分たちより大きい外国人にタックルしている姿を観て、すごく心が震えたし、ラグビーのバーがテナントとして入ってくれていることに誇りに感じた」って。そのときは本当にうれしかったですね。日本代表の皆さんに感謝したし、ラグビーをやってて良かったなって思いました。

 

南アフリカ戦(2015)直後の記念撮影。笑顔と泣き顔の数々

 

マスターの熱い話はまだまだ続きます。後編はラグビーのトリビアやワールドカップ2019の見どころなど、盛りだくさんでお届けします!

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