ストーリーラグビー

どうしてラガーマンは右手でビールを飲まないの?! 〜アナタの知らないラグビーの世界〜

2018-12-10 午後 0:00

前回、「ラグビーの魅力」を存分に語ってくださった東京・高田馬場にあるラグビーダイナーのマスター・竹内方和(まさかず)さん。今回は、“紳士のスポーツ”ならではと言える「ラグビートリビア」や、来年の「ラグビーワールドカップ2019」の見どころについて聞きました。

竹内方和(まさかず)さん

1975年生まれ、宮崎県出身。自身も選手として高校時代からラグビーに親しみ、現在も社会人チームでプレー。2011年7月、高田馬場にラグビーダイナーをオープン。ファン同士をつなぐ観戦ツアーや、選手やジャーナリストを招いたイベントを定期的に開催するなど、ラグビー普及のためにさまざまなチャレンジを続けている。

こんなにあります!ラグビーのトリビア

ルールの複雑さから敬遠されがちなラグビーですが、知れば知るほど紳士のスポーツで、特有のおもしろい文化や風習があるんだそうです。

1.アフターマッチファンクション

試合が終わると、両チームが集ってビールで乾杯する『アフターマッチファンクション』という打ち上げを行います。このとき、右手でグラスを持つとまわりから“バッファロー”と言われて、一気飲みしないといけないというルールがあるんです。理由は、握手するときにグラスで手が冷えていたら相手に失礼だから。うちのお店でも、ラグビー経験者はほとんどの方が左手で飲んでいますよ。

2.試合前に遺言…!?

左/身長166センチの田中選手 右/遠近法が間違ってる?と思わせる体格の差

 

日本代表の田中史朗選手は2015年のワールドカップに行く前に、奥さんに遺言のような言葉まで残しているんです。「命がけで戦ってきます。もし俺が死んだら新しいいい人見つけてな」って。田中選手は166センチ・72キロ。対する南アフリカ代表には2メートル超え・120キロオーバーなんて選手もいるわけです。どんなに鍛えていても、72キロと120キロが普通にぶつかったら、ほとんど事故ですから…。だから、試合の一発目にタックルするやつが一番怖い。けど、その恐怖に打ち勝ち、相手に立ち向かう仲間の勇姿を見て、俺もがんばらなきゃ!って全員がなるんです。

3.試合中、監督は観客席にいる

監督が観客席にいるのも特徴ですね。ラグビーは教育のためにつくられたスポーツなので、ゲームが始まったら、あとは自分たちで判断しないといけない。インカムでメディカルスタッフへ指示を出すことはあっても、選手に指示を出すことはありません。自分たちの判断を積み重ねた結果としての勝敗を受け入れる、そうすることで成長していく。そういう考え方が根本にあるんです。

4.レフリーとの関係性

ニュージーランド対イングランドの国際親善試合(2010年11月6日)

 

レフリーに話しかけていいのはキャプテンだけ。レフリーはルールで裁く存在というより、反則が起きないように促すのが役目です。試合中によく聞いてもらうとわかるのですが、“次それやったら反則だから”とか“それ以上やったら反則だよ”って、あくまで反則にならないように止めている。選手自身がラグビー憲章に則って自分を律しないといけないんですが、盛り上がっているとまわりが見えなくなってラフなプレーをしてしまうときがある。そこでブレーキをかけるのがレフリーの役目なんです。リスペクトの上に成り立っているので、選手がレフリーに詰め寄るなんてことは、まずないですね。

2019年開催! ワールドカップはココに注目

ここまで読んで、「ラグビーへの興味は湧いてきた。だけど、どこを観ていいのかイマイチわからない」という方のために、活躍が期待される選手など、2019年ワールドカップで注目するべきポイントを教えてもらいました。

 

マスター 華があるのは、トライゲッターの山田章仁選手ですね。ウィングというトライを決めるポジションで、カッコよくて脚も速い選手です。

 

山田章仁選手

 

──ちなみに、マスターはどんなプレーを観るのがお好きですか?

 

マスター ボクはラグビーを始める前にバスケットボールをやっていたので、きれいにボールが回っていくところを観るのが好きですね。

 

──「後方にしかパスできない」というルールも独特ですよね。パス回しがうまい選手だと、どなたでしょう?

 

マスター スタンドオフの田村優選手ですね。山田章仁選手とおなじくらい人気があり、サッカーでいう中田英寿選手や本田圭佑選手のような“司令塔”です。田村選手が絶好調であれば日本代表はすごく強いし、不調であれば負ける。それくらい大事なポジションです。顔もかっこいいいし、田村優選手を一番見てほしいですね。

 

田村優選手

 

──とりあえず田村選手に注目しておけば、ゲームの流れはつかめると。

 

マスター そうですね。サッカーでも、キーパーがいきなりフォワードにパスしないですよね?田村選手がキックするのか、パスするのか、ボールを持って走るのか。あの五郎丸選手も、基本的にはスタンドオフ(司令塔のポジション)の指示で動いていますし、チーム全体のサインや戦術もスタンドオフがほぼすべて決めているはずです。サインは何十個もあり、覚えられないと試合に出られないので、記憶力も大事ですよね。

 

──想像以上に緻密なスポーツだということがわかりました。

 

マスター ある程度の局面までは、それぞれどう動くのかが戦術で決まっていますから、闇雲にボールを追いかけているわけじゃないんです。だからこそ2015年に日本が南アフリカ代表に勝ったのは、結果として奇跡なんですけど、分析に分析を重ね尽くしているという意味では奇跡じゃない。偶然の勝利が生まれづらいスポーツなだけに、南アフリカ代表は本当にびっくりしたと思います。

 

記念すべきワールドカップ初開催まで1年足らず!

 

──2019年にラグビーワールドカップが開催されます。日本で行われるのは、今回が初なんですよね。

 

マスター 日本どころか、アジア全体で初めてのことです。ラグビーを店内のモニターで見せているボクが言うのもなんですが…初めての方こそ、テレビではなく生で観戦したほうがおもしろさがわかると思います。選手同士がぶつかったときの音といったら、ものすごい迫力がありますからね。

 

 

自分たちよりカラダの大きな海外選手に向かっていく日本代表にとって、皆さんの応援は必ず選手の励みになります。ぜひ現地で、スタジアムで応援してください!

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