ストーリーラグビー

ラグビー日本選手権 決勝でライバルが激突! 上回ったのは「伝統の防御」 実況アナは見た

2021-05-25 午後 06:25

5月23日に開催されたラグビー日本選手権の決勝は、ひさびさの両雄対決でした。

 

サントリーとパナソニック。この13大会連続して、どちらかが決勝に進出しています。直接対決は2018年1月の決勝が最後。実に3年ぶりに実現したカードです。

 

「攻撃のサントリー・防御のパナソニック」と称される両チーム。決勝の構図はどうなのか?

 

パナソニック 坂手淳史 キャプテン

 

パナソニック坂手淳史キャプテンは「ディフェンスが得意なパナソニック。ここでプレッシャーをかけてペナルティを取りたい」と話しました。

 

一方、サントリーも準決勝で相手をノートライに抑えます。中村亮土キャプテンは「アタッキングラグビーを掲げるためにも、日本一の守備をしようとチーム内で意思を統一した」と防御への自信を見せます。

 

サントリー 中村亮土 キャプテン(左)

 

「ロースコアになりそうですか?」という問いに、パナソニックのロビー・ディーンズ監督は「そうなるかも知れないし、速い展開になるかも知れない。始まってみないとわからない。一つ言えるのは、質の高い2チームが真っ向勝負でぶつかる、素晴らしい決勝戦になるのではないか」。 ロースコアを肯定する答えではありませんでした。

 

パナソニック ロビー・ディーンズ監督

 

幕を開けた決勝。パナソニックが防御を軸に「速い展開」を作ります。

 

前半4分、サントリー、ボーデン・バレット選手のパスをディラン・ライリー選手がインターセプトし、60m独走の先制トライ。

ライリー選手はオーストラリア出身で入部3年。「パナソニックに来てプレーメイク、判断、キックが上達した」と話す代表未経験の24歳です。

 

パナソニック  ディラン・ライリー選手

 

ディフェンスラインから素早く飛び出す「判断」で、世界的プレーヤーのパスを奪い取る先制パンチでした。

 

サントリー 中村亮土 キャプテン

 

サントリーの中村キャプテンが「想定外だった」と振り返るトライで7対0。

 

もちろん、これが試合のすべてではありません。

 

後半、勝敗の分岐点となりうる防御がありました。後半20分過ぎ、パナソニック16点リード。相手の攻撃にゴール寸前で耐えます。ここでタックルポイントのボールに腕を伸ばし、立って奪いに行く「ジャッカル」を小山大輝選手が敢行。大柄な選手に対し1メートル71センチの小山選手が踏ん張って5点を防ぎ、ピンチを脱出します。

 

後半31分過ぎ、パナソニックのリードは9点。サントリーは自陣からキックを使わず連続攻撃をしかけます。ここでまたも、倒れた相手のボールを21歳の福井翔大選手が「ジャッカル」。反則を誘い、ペナルティゴールで3点を加えました。仲間から一番のガッツポーズが出たプレーです。

 

パナソニック  福井翔大選手

 

このチームが日本選手権で初優勝したのは2007年度。ニュージーランド代表経験者のトニー・ブラウン選手が加わり、高いディフェンス力を披露。

 

ジャッカルによるターンオーバーの見ごたえを伝えてくれました。以来、日本選手権3連覇。ディフェンスはチームのカルチャーになります。その後、オーストラリアのボールハンター、デービッド・ポーコック選手も歴史を彩りました。

 

もちろん、日本の選手にも多くの達人がいます。決勝では勝負どころでリザーブ出場の小山・福井の両選手が見事にジャッカルを決め、層の厚い「伝統の技」を見せました。

 

最終スコアは31対26で5点差。強烈なサントリーの追い上げをしのぎ切った、パナソニックの日本一でした。

 

 

翌日、日本代表スコッド36人が発表され、決勝を戦ったパナソニックとサントリーからは合わせて16人が選ばれました。このハイレベルな両チーム、次なる直接対決が今から楽しみです。

 

 

 

 

この記事を書いた人

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竹林 宏 アナウンサー

初めての実況は1989年、高知県での招待試合「全同志社対東芝府中」当時トライは4点でした。1996年の社会人大会ではサントリー対三洋電機の決勝でグラウンドリポーター。土壇場の同点劇は鮮烈な思い出です。2019年W杯日本大会で実況。

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