ストーリーサッカー

恩師が語る"川口能活選手"とは?

2018-12-18 午後 0:00

サッカー元日本代表のゴールキーパー、川口能活選手。43歳の川口選手は、今シーズンかぎりで現役を引退しました。

“炎の守護神”と呼ばれ、日本のサッカー界を引っ張ってきた、川口選手。その礎を築いたという静岡で、成長を見守ってきた高校時代の恩師に当時の話を聞いてきました。

高校入学前から“圧倒的存在”

現役生活25年の43歳、川口能活選手。川口選手といえば、スーパーセーブの数々に、目力と気迫あふれる姿が思い浮かびます。

 

 

ワールドカップは4大会連続で日本代表に選ばれ、代表の試合だけで、通算116試合に出場しました。

その才能は、静岡で過ごした中学・高校時代から注目されていました。

 

大瀧雅良さん

 

川口選手の母校、清水商業(いまの清水桜が丘高校)で、サッカー部総監督を務める大瀧雅良さんです。

 

胴上げされる川口選手 全国高校サッカー選手権 (1994年)

 

川口選手が高校3年の時、大瀧さんの指導のもと、全国高校サッカー選手権で優勝。

当時から、周りの人々を魅了していました。

 

 

──高校入学当初から、圧倒的な存在だったんですか?

清水桜が丘高校サッカー部 大瀧雅良総監督

高校に入学する前からです。

たとえば、キーパーの目の前に毛布で壁をつくって、キーパーコーチが、その向こう側からボールを蹴るんですよ。

それを中学2年生で、ぽんぽん止めている。距離間と音で一瞬で判断しているんです。

今でも後輩の憧れの存在

川口選手は、今でも後輩の憧れの存在になっています。

 

清水桜が丘高校サッカー部 飯濱由樹選手

ぼくが、この学校に入ったのは、川口選手の存在がとても大きい。

 

清水桜が丘高校サッカー部 明石悠太郎選手

川口選手はキャプテンをやっていて、そのチームを後ろからまとめるというのが、とても尊敬している。

 

ただ、川口選手の魅力は、その才能だけではありませんでした。

 

清水桜が丘高校サッカー部 大瀧雅良総監督

練習が終わって、家へ帰って“さあ飯食べて一服だな”というときに教頭先生から電話をもらって。

学校に飛んで行ったら、まだ能活たちが練習をしていたと。“頼むからおまえ帰ってくれ”と話をして、練習を止めちゃったというのが一番のここでの記憶。

努力から生まれた“マイアミの奇跡”

川口能活選手

やはりゴールキーパーというのは“最後のとりで”で、頼れる存在であるべき。

 

練習、練習の日々。川口選手は、自分のコンプレックスも練習へのエネルギーに変えてきました。

川口能活選手

僕は上背があるわけではない。

内心、すごく悔しさというか、その中で練習をして足りないものを努力する。

 

その、たゆまぬ努力が結果に結びつく瞬間が、1996年のアトランタオリンピックでした。

 

アトランタ五輪 “マイアミの奇跡” (1996年)

 

日本が優勝候補のブラジルを破った“マイアミの奇跡”です。

次々に見せるスーパーセーブ。川口選手は日本の歴史的な勝利につなげました。

川口能活選手

トレーニングの賜で、ロベルト・カルロス選手のシュートをキャッチすることができた。

大変なこともありましたけどキーパーの練習が好きでしたし、最初にみてキーパーが格好いいと思いましたから、もう一度サッカーをやれるとしても、もう一度、キーパーをやると思います。

 

清水桜が丘高校サッカー部 大瀧雅良総監督

練習は嘘をつかない。勉強と一緒。親からもらった能力は、わずかなもので。

みんな一緒だから、努力しているやつは一流になる。

指導者になるための歩みを

“次の世代が育った”と、今後は選手とは違う形で貢献しようと引退を決めた、川口選手。

これだけの功績を残しても、満足することはありませんでした。

 

川口能活選手

今まで一度も“自分が完成形に近づいた”と思ったことは、なかったので。それが自分にはできなかったこと。

将来自分が指導者になったときに、そういう選手を育てたいなと思います。指導者になるための歩みをしっかりと始めていきたい。

 

理想のゴールキーパーの姿を追い求めてきた、川口選手。再び理想を求めて“炎の守護神”の新たな挑戦が始まります。

各務梓菜

NHK静岡放送局でスポーツキャスターを務める。
サッカー王国と呼ばれた静岡県でJ1ジュビロ磐田、清水エスパルスの2チームを取材。
さらにラグビー・ヤマハ発動機の選手や陸上のメダリスト・飯塚翔太選手など、幅広く取材して選手たちの熱い思いを伝えている。

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