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特集 "全日本フィギュア高橋大輔2位"~スケートへの尽きない思い~

フィギュアスケート 2018年12月27日(木) 午後0:00

「もっと向上したい」。4年ぶりに現役復帰したフィギュアスケートの高橋大輔選手は全日本選手権を終えて、スケートへの飽くなき思いを口にしました。

 

 

高橋選手は、全日本選手権のフリーで最終グループの6人に入ることを目標に、今年春から本格的な練習を再開しました。

復帰初戦となった10月の近畿選手権は3位。その翌月の西日本選手権で優勝。

 

 

4回転ジャンプには挑戦せず、プログラムを滑りきるスタミナに不安がありましたが、かつて世界を魅了した表現力は健在でした。

5大会ぶりの出場となった全日本選手権は、オリンピック2連覇の羽生結弦選手が欠場するなか、高橋選手に多くの注目が集まりました。

前半のショートプログラムをほぼミスなくまとめ、復帰後の最高得点を更新してピョンチャンオリンピック銀メダルの宇野昌磨選手に次ぐ2位。目標にしていたフリーの最終グループ入りを果たしました。

 

 

後半のフリーではジャンプにミスが続きましたが、最高評価のレベルフォーを獲得したステップでは満員の観客を魅了してショートプログラムとの合計で2位。

 

 

「メダルは想像していなかった」と言う高橋選手の胸にはひときわ輝く銀メダルがありました。

高橋大輔選手

うまくいかないこともあったけど、一段落してほっとしている。若い選手たちと一緒に滑って自分も、もっと向上したいと思った。

 

この結果を受けて、日本スケート連盟から世界選手権の出場も打診されましたが、「世界と戦う覚悟は持ちきれない」と辞退しました。

 

高橋大輔選手

世界選手権でしかできない経験がある。若い選手が、そこで経験を積むことで日本のスケートを盛り上げてもらいたい。

 

若手に世界選手権への切符は譲りましたが、現役続行の意向を示した高橋選手。

日本の男子フィギュアスケート界の一時代を築いた英雄は、これからも銀盤の上でその技術を磨き続けます。

今村亜由美

平成21年入局 兵庫県出身
和歌山、福井、名古屋を経て去年7月から大阪局でフィギュアスケートなどを担当。高校時代は野球部マネージャー。愛読書は山際淳司著『スローカーブを、もう一球』

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