特集 髙安 好調対決で白星 終盤まで優勝争いを期待 大相撲夏場所

好調の三役どうしの一番を制したのは大関経験者の髙安だった。
5日目まで、ともに4勝1敗、関脇・髙安と小結・御嶽海の攻防には見応えがあった。
立ち合いから中に入って先に押し込んだのは御嶽海。
髙安(左)と御嶽海(右)の攻め合い
髙安は右で上手をつかんで回り込んでしのいだ。
再び突き合いになって、御嶽海が押し込むと、今度は髙安が左で上手をつかみ、土俵際、体勢を崩しながらも投げで勝負を決めた。
「最後は際どかったですけど。相手も好調なので、それに勝ったのは、あしたにつながると思います」
師匠の田子ノ浦親方によると、髙安は、場所前、荒磯親方(元横綱・稀勢の里)との連日の稽古で、最後までまわしを引きつける意識を徹底してきた。
6日目の相撲も勝負は土俵際。左でつかんだ上手が命綱だった。場所前から徹底してきた、まわしを引く意識がとっさに出たに違いない。
徐々に大関時代の力強い相撲を取り戻してきた髙安は小結で臨んだ先場所、10日目まで星の差2つをつけて優勝争いをリードするも終盤にまさかの大失速。照ノ富士に優勝をさらわれた。
今場所は、大関に復帰したその照ノ富士がここまでただ1人6連勝と強さが際立っている。
星の差1つで追いかけるのも髙安と大関・貴景勝の2人だけ。
誰が照ノ富士を止めるのか? 大きな期待を集めているのが、髙安だ。
過去の対戦成績で12勝7敗とリードしている上、さらに照ノ富士の幕内復帰後は髙安の4連勝中と合口がいい。
取組後、先場所の結果について聞かれた髙安は「優勝争いをしたことは、いい経験。今場所、精一杯取り組んで、千秋楽まで優勝争いに絡むよう頑張りたい」
大相撲は最後まで優勝争いが続いてこそ盛り上がる。横綱不在の場所でファンが満足するかどうかは、大関経験者の奮起にかかっている。
この記事を書いた人

鎌田 崇央 記者
平成14年NHK入局
さいたま局を経て、スポーツ部に。プロ野球、水泳などを担当し、格闘技担当は通算5年目