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特集 小結・御嶽海「大関戦の傷は勲章」大相撲夏場所

相撲 2021年5月11日(火) 午前11:30

横綱不在の夏場所は期待の大関陣のうち、照ノ富士を除く三大関が2日目にして早くも黒星を喫した。

 

このうちの1人、大関・貴景勝を破った小結・御嶽海は右眉の上に真っ赤な傷を作って、淡々と語った。

 

「顔の傷は勲章だ。大関とやるといつもこうだ」

 

 

押し相撲どうしの貴景勝との一番。

 

 

頭が激しくぶつかり合う厳しい立ち合いのあと、突き放す貴景勝に主導権を握られ土俵際まで押し込まれたものの足に力を込めて踏ん張った。

 

 

そこから攻めに転じて前に出て体を密着させる、みずからの形に持ちこみ、最後は押し倒して勝負を決めた。

 

 

「大関との相撲は特別」と一番、一番を大切にする御嶽海。

 

かつて“大関の最有力候補”と言われ、平成30年名古屋場所と令和元年、おととしの秋場所で関脇で優勝を果たした。

 

令和元年の秋場所で2回目の優勝を果たした御嶽海

 

いずれも次の場所で大関昇進が期待されたが実現しなかった。その後、平幕も経験し、ことしは小結での土俵が続く。

 

 

「(大関は)ずっと上がりたい地位。早く上がりたいという気持ちがあるが、今できることをしっかりやっていきたい。まずは今場所の目標は、ふた桁白星だ」

 

こう静かに決意を語った御嶽海。

 

大関に向けた新たな一歩を踏み出すためには、今場所、ほかの大関陣から白星を挙げ“勲章の傷”を増やすことが求められている。

 

 

この記事を書いた人

坂梨 宏和 記者

坂梨 宏和 記者

平成21年NHK入局 福岡県出身

長崎局、広島局などを経てスポーツニュース部。ヤクルト担当。

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