ストーリー相撲

最高位・横綱への思い 21場所ぶり大関復帰の照ノ富士 大相撲夏場所

2021-05-10 午後 0:25

「長く相撲を取れる体ではないと思うし、いつ何が起きるかわからない状況の中で相撲を取っている。全力を出し切ってどこまでいけるか勝負してみたい」

 

 

21場所ぶりに大関に復帰した照ノ富士は夏場所前のインタビューで、番付最高位、横綱についての思いをこう答えた。

 

 

苦しみを乗り越え、3年余りをかけて、ようやく取り戻した大関の地位を守りたいという意識はない。

 

常につきまとう両ひざのけがへの不安を抱えているからこそ、一気に頂点まで駆け上がりたいということなのだろう。

 

大関復帰を決めた先場所終盤にも痛めていたというが最高位を目指す上で気がかりなのは、やはりひざの状態だ。

 

 

夏場所初日の相手は番付を自己最高位に上げた明生(前頭2枚目)。

 

 

思い切った当たりには定評があるが、照ノ富士は当たりを受け止めると両腕を抱え込む得意の形に持ち込んだ。強引な小手投げに頼ることもなく休まず前に出て勝負を決めた。

 

 

「前に足が出たので良かった」

 

短い言葉で振り返ったように、この日の取組を見る限りはひざの不安を感じさせなかった。

 

 

第一人者の横綱・白鵬は、ひざの手術の影響で今場所も不在となり、名古屋場所で進退をかける意向を示している。次の横綱を求める声は、大相撲ファンだけでなく、日本相撲協会にも根強くある。

 

東京で行われる本場所の責任者、尾車親方は初日の前日、「横綱が休んでいるんだから俺たちの中から優勝しなければダメなんだという気持ちを高く持って臨んでもらいたい。そこから早く綱を張るような人が出てもらいたい」と大関陣に期待を込めて奮起を促した。

 

新横綱の待望論が出る中、四大関で最高位への思いを強く口にしているのが照ノ富士だ。

 

この中で、1番頑張っている人が上がるという考え。お相撲さんは皆、目指しているところは1番上、“横綱”という地位。経験したことがないからわからないし、だからこそ挑んで経験してみたい気持ち。1日1日を精一杯やっている。

 

“大関は守る地位ではなく横綱を目指す地位”

 

実力に加えて自覚もすでに十分。序二段から史上最大の復活劇を成し遂げた苦労人が、最高位に向けて一歩ずつ歩み始めた。 

 

この記事を書いた人

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鎌田 崇央 記者

平成14年NHK入局

さいたま局を経て、スポーツ部に。プロ野球、水泳などを担当し、格闘技担当は通算5年目

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