ストーリーラグビー

ラグビーW杯を目指すレフェリー 久保修平

2019-04-15 午後 0:00

 

ラグビーワールドカップを目指すレフェリー、久保修平さん(37)です。

久保さんは日本ラグビー協会に所属する国内唯一のプロレフェリーで、2016年には日本人として初めて世界最高峰のリーグ、スーパーラグビーで主審を担当しました。さらに去年の日本選手権・決勝でも主審を務めるなど、日本人レフェリーの中ではW杯にいちばん近い存在と言われています。

ラグビーを愛する男

高校1年でラグビーを始めた久保さん。大学卒業後に本格的にレフェリーを始めました。

久保修平さん

現役時代からラグビーの楽しさにどっぷりつかってしまった。プレーヤーとしては限界を感じたが、今後も大好きなラグビーに関わっていきたいと思った。

 

最初は大阪の支援学校の教員との両立を続けましたが、より高みを目指したいと、5年前にプロレフェリーに転向しました。

レフェリーの基本は“正確な判定”

久保さんの持ち味は正確な判定です。選手が密集して、見えづらい場面でもプレーを見極めます。そこで久保さんが意識しているのが常にボールを視界から外さないことです。

 

久保修平さん

反則は必ずボールがある所で起こる。どんなに選手が密集していても必ずボールは見逃さない。

 

今回は特別な許可を得て、久保さんに目線カメラをつけていただきました。

 

撮影された映像を見ると、ボールを見るために、密集にダッシュで近づいたり、回り込んだりと、ピッチを動き回っている様子が分かりました。

久保さんは「ボールを見るポジショニングが重要」と言います。選手との距離が遠すぎたらボールが見えなくなるし、近すぎたら次の展開に遅れてしまう。「ポジショニングはレフェリーにとって永遠の課題。日々最適なポジショニングを模索している」と話していました。

課題はゲームコントロール

W杯で最も重視されるのがゲームをコントロールする能力です。

 

久保修平さん

荒れそうな試合であれば、反則を厳しくとったり、熱くなり過ぎている選手がいれば直接、声をかける。

ただファウルを厳しく取り過ぎたらゲームが止まって面白くなくなるので、そのバランスが大事。

 

久保さんはゲームコントロールを磨こうと、毎日のように海外のトップレフェリーの映像を見て、選手にどんな言葉をかけているのか。英語で一言一句メモに取りながら研究しています。1週間に10~15試合は見ているということで、その熱意には驚かされました。

さらに、テレビ電話でニュージーランド出身のレフェリーコーチにも指導を仰ぎ、ゲームコントロールのノウハウを学んでいます。

W杯への意気込み

W杯で主審を務めるのは世界でわずか12人と狭き門です。地道なトレーニングで課題と向き合いながらレベルアップを図る久保さんに自国開催の大舞台に挑む覚悟を聞きました。

 

久保修平さん

一つ一つ課題をクリアしたり、自分自身にチャレンジすることがレフェリーを通しての楽しみ。

日本で行われるW杯は一生に一度のチャンスだと思うので、そのチャンスをつかめるように1日1日を大切にしていきたい。

 



最後に、取材の裏話を1つ。これまでのレフェリー人生で印象に残っていることを聞いたところ、久保さんはレフェリーを始めた当初、オーストラリアに自費留学したときのエピソードを語りました。

「高校生の試合だったのですが、まったくゲームをコントロールできず、大乱闘になってしまった。試合後、5歳ぐらいの子供に“おじさん、レッドカードを持ってないの?”と言われてしまって・・・。そのときにゲームをコントロールする重要性を痛感しました(笑)。でも、その経験があったからこそ、トップリーグで初めて主審を務めたときに適切な判断のもと、レッドカードを出すことができた。周囲からの高評価にもつながりましたよ!」と誇らしげに話していました。

重康崇

大阪放送局。ラグビー担当ディレクタ

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