特集 日本フィギュアが世界の頂点へ!フィギュアスケート平成史~後編~

前編では、日本のフィギュアスケートの礎を築いたレジェンド・伊藤みどり選手から、フィギュア界初のオリンピック金メダルを獲得した荒川静香選手、日本国民をフィギュアスケートに夢中にさせた浅田真央選手の活躍などを振り返りました。
後編ではもちろん記憶に新しい“あの”人の偉業も紹介します!
平成22年 高橋大輔&浅田真央 嬉しいメダル・悔しいメダル
アルベールビルオリンピックで伊藤みどり選手が銀メダルを獲得し、トリノオリンピックでは荒川静香選手が金メダルを獲得。
しかし男子の日本選手はまだオリンピックでメダルを手にしたことがありませんでした。そんな中、高橋大輔選手が獲得した銅メダル。
バンクーバーオリンピックの前年、けがによって欠場していた高橋選手は「けがで1年を棒に振って、オリンピックの舞台に立つことができると思っていなかったので、メダルを取れたことを誇りとしたい」と涙をこらえながら話しました。
一方で、銀メダルを獲得してもなお涙を流していた選手がいます。当時、国民中から金メダルの期待を背負っていた浅田真央選手。
韓国のキム・ヨナ選手とのライバル対決が注目されていました。
金メダルを獲得したキム・ヨナ選手
バンクーバーオリンピックでの浅田選手は、史上初となるトリプルアクセルをフリーで2回成功させたものの、キム・ヨナ選手の得点には届きませんでした。
平成25年 織田信成「すごくすごく幸せでした」
ソチオリンピックへの出場を逃した織田信成選手は、四大陸選手権への出場も決まっていましたが、現役引退を決意しました。
織田信成選手は「幸福に満ちあふれたスケート人生でした」と締めくくりました。
平成26年 羽生結弦 ソチ五輪で日本男子初の金メダル!
さらに羽生選手の快進撃は止まらず、グランプリファイナルでは史上初の4連覇という偉業を達成しています!
平成26年 浅田真央 世界に感動を与えた伝説のフリー
前回のバンクーバーオリンピックで惜しくも銀メダルに終わった浅田真央選手が、次こそはと挑んだソチオリンピック。
ソチの直前までトリプルアクセルの不調に苦しみながらも、ソチに標準を合わせていた浅田選手。
ですが本番では、ショートプログラム冒頭のトリプルアクセルで転倒、順位は16位にまで沈み、演技後も茫然とした表情を見せる結果となりました。
そして始まったフリー。
冒頭のトリプルアクセルを世界中がかたずをのんで見守る中、華麗に成功させると、その後も次々とジャンプを成功させ、躍動感を取り戻す浅田選手は大きなミスなくプログラムを終えたのです!
結果は6位に終わりましたが、その演技は世界中に感動を届け、魅了しました。
1年の休養後、現役復帰し、その後引退を決めた浅田さんでしたが、このフリーはフィギュア界に語り継がれる名演でした。
平成30年 羽生結弦 66年ぶり五輪連覇の偉業!
エキシビションを終え、出演者にリフトされる羽生選手
ソチオリンピック以降、次々と世界最高得点を更新した羽生結弦選手。
快進撃を続けていくと思われた羽生選手にアクシデントが起こったのは、平成29年の11月です。
4回転ジャンプに挑戦していた羽生選手は練習中に転倒し、足首のじん帯を負傷してしまったのです。
それでも羽生選手は、翌年2月のピョンチャンオリンピックの舞台に立っていました。そして2大会連続で金メダルを獲得するという大快挙を達成したのです!オリンピックでのフィギュア連覇は66年ぶりのことでした!
こうした実績が高く評価され、羽生選手に国民栄誉賞が贈られたのです。
平成30年 ピョンチャンオリンピックで銀メダルの宇野昌磨
同じピョンチャンオリンピックでは宇野昌磨選手が銀メダルを獲得し、日本人選手が1、2位という結果に!
宇野選手は、平成27年に世界ジュニア選手権で、羽生選手以来5年ぶりの金メダルを獲得しています。それから約3年で2人は同じ舞台で素晴らしい結果を残しました。
平成30年 高橋大輔の電撃復帰に驚き!
若手選手がどんどん頭角を現す中、ベテラン選手が再び帰ってきました。それは平成26年に現役を引退した高橋大輔選手です。
32歳での復帰。国内にも羽生結弦選手や宇野昌磨選手などの有力選手がひしめいているなか現役復帰を決めたのは、フィギュアスケートへの純粋な想いです。
生き生きとした高橋選手の演技は、ブランクを挟みながらも2018年12月、全日本選手権では2位に!
その後世界選手権の代表を打診されたものの、「世界と戦う覚悟がないのに、選ばれたからと言って出るべきではないと思った。また若い選手が世界選手権という大きい舞台を経験する必要性が大きいとも感じた」と代表を辞退しました。
平成30年 紀平梨花 脅威のハートでGPファイナル優勝!
グランプリファイナル初出場ながらも、優勝した紀平梨花選手。
ピョンチャンオリンピック金メダリストのザギトワ選手を2位に抑えての優勝でした。結果ももちろんすごいのですが、演技の内容も素晴らしいものでした。
というのも、フリーの演技冒頭、トリプルアクセルの失敗を、冷静に調整して持ち直したのです。
冒頭の失敗に焦って立て直すことができなくなる選手も少なくない中、紀平選手は残るジャンプの回転数を上げるなどして得点アップにつなげました。
シニア1年目にして心の強い紀平選手がこれからさらなる大舞台に立った時、どんな表情を魅せるのかが楽しみですね!
平成のフィギュアスケートの歴史を振り返ってみました。どんどん日本がフィギュアスケート大国になっていった様子がわかりましたよね!
新元号 令和になったのち、日本のフィギュア界はどのような歴史を刻んでいくのでしょうか?