ストーリー相撲

「大関っていったい何なの?」

2019-05-10 午後 0:00

大相撲で幕内最年少22歳の貴景勝が平成最後の本場所となった春場所後に大関に昇進しました。

平成の間に大関に昇進した力士は貴景勝を含めて26人。日本相撲協会の理事会の決定を経て誕生する大関には、関脇、小結の三役以下の力士と様々な面で待遇が違ってきます。大関とはいったい何なのか改めて調べてみました。

どうしたら大関に昇進できるのか?

大関昇進伝達式での乾杯(3月27日)

 

横綱昇進のような明確な決まりはありませんが、三役(関脇、小結)での3場所合計の勝ち星33勝が目安だと言われています。貴景勝は九州場所優勝で13勝、初場所11勝、春場所10勝で合計34勝となって基準は満たしました。

数字だけでなく相撲の内容も見られます。貴景勝は初場所11勝を挙げたときに33勝の目安に達しましたが、「もう1場所見たい」と大関昇進を一度見送られました。

 

昇進の口上にはどんなものがあるのか?

昇進を伝える伝達式での口上が話題になりますが、口上だけに大関として向上したいという思いが込められています。

 

口上を述べる貴景勝(3月27日)

 

四字熟語は貴花田(後の横綱貴乃花)の「不撓不屈の精神で」、兄の若ノ花(後の横綱三代目若乃花)は「一意専心の気持ちを忘れず」です。

普段良く使われる四字の「一生懸命」は霧島と朝青龍。「正々堂々」が武双山と髙安です。貴景勝は「武士道精神を重んじ、感謝の気持ちと思いやりを忘れず」と母校埼玉栄高校相撲部の部訓「感謝の気持ちと思いやり」も取り入れて述べました。

大関になると待遇はどう変わるのか?

新大関として土俵入りする貴景勝(3月31日・伊勢神宮)

 

給与が変わります。三役は月額180万円だったのが、大関は月額250万円で70万円アップします。両国国技館に場所入りするときも自家用車で乗り入れができるのは大関と横綱だけです。

 

夏場所東の番付、右から横綱白鵬、大関豪栄道、貴景勝と並ぶ

 

巡業などの移動も飛行機はファーストクラス、新幹線はグリーン車の座席となるのも大関以上の特権です。土俵入りにつける化粧まわしの房に紫色を使えるのも大関からです。

大関になったらいろんなイベントに出席するか?

大関は日本相撲協会の看板力士です。昇進後はいろいろな行事やイベントへの出席が多くなります。

 

「芦屋ふるさと大使」を委嘱された貴景勝(3月29日)

 

貴景勝も出身地の兵庫県芦屋市の「芦屋ふるさと大使」になって、自分が活躍することでふるさとを有名にしたいと張り切っています。

 

夏場所の番付発表の記者会見する貴景勝

 

本場所でも初日と千秋楽の協会あいさつでは必ず土俵に上がるし、千秋楽の三役そろい踏みにも登場します。

大関になった力士が下に落ちることはあるのか?

負け越しが続いたら、大関は関脇に陥落します。昭和44年の名古屋場所から2場所続けて負け越したら落ちるようになりました。翌場所に限って10勝したら再び大関に返り咲けます。

 

「令和」の人文字撮影の貴景勝、髙安ら(5月1日)

 

貴景勝が春場所千秋楽に栃ノ心に勝って10勝を挙げて大関昇進を決めたとき、敗れた栃ノ心は2場所続けて負け越して大関から陥落しました。けがで苦しんで大関から落ちた栃ノ心には1場所で返り咲いてほしいと思います。

そして新大関の貴景勝には平成18年夏場所の白鵬以来となる新大関優勝を目指してほしいです。令和で初めての本場所は大相撲新時代の旗手となった貴景勝の土俵から目が離せません。

 

北出幸一

相撲雑誌「NHK G-Media大相撲中継」編集長。元NHK記者。昭和の時代に横綱千代の富士、北勝海、大乃国らを取材しNHKを定年退職後に相撲雑誌の編集長となる。

 

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