特集 大関・朝乃山に復調の兆し 第2の故郷のファンに喜んでもらいたい
相撲
2021年3月20日(土) 午前11:40

(大阪で)テレビの前で応援してくれる人たちの期待に応えたい。
平幕の若隆景に盤石の相撲で5勝目を挙げた大関・朝乃山。内容に結果が伴った取組を終え自然と笑みがこぼれた。
今場所の朝乃山は出足が鈍く、なかなか相手のまわしを取ることが出来ない。得意の右四つ左上手の形に持ち込む相撲も少なかった。それでも、ここまで何とか1敗で踏みとどまってきた。
本来の自分の相撲、前に出る相撲を取れないのは、もどかしかったが、しっかりと1日一番が大事。
目の前の相手に気持ちを向けることで白星を重ねてきた朝乃山。
6日目の若隆景との一番では、立ち合いからおっつけて、ぐいぐいと前に出る。
右を差したあとは圧力をかけ最後は得意の左上手で寄り切った。まさに万全の相撲だった。
新型コロナウイルスの影響で、大阪から東京・両国の国技館に場所を移して行われている場所。近畿大学から角界に入門した朝乃山にとって大阪は「第2の故郷」だ。
大関昇進も去年、大阪で行われた春場所後。思い入れのある土地の人たちから“東京開催は寂しい”という声が相次いで寄せられたという。
大阪の人たちに一番応援してもらっている。応援してくれる皆さんと顔を合わせることが出来ないのは残念だ。会いたい。
大阪の人たちへ思いをはせながら相撲を取り続ける今場所。昇進から1年がたち、大関の立場も十分理解し、周囲からの期待に対しても日ごとに責任感が増している。
遠く離れたところから声援を送る第2の故郷のファンに喜んでもらいたい。復調の兆しを見せる大関が横綱不在となった混戦の場所を引っ張って結果で応えていく姿に注目だ。
この記事を書いた人

坂梨 宏和 記者
平成21年NHK入局 福岡県出身
長崎局、広島局などを経てスポーツニュース部。ヤクルト担当。