ストーリー相撲

翔猿 小兵の翠富士との対決で2分超の熱戦!「“我慢勝ち” できてよかった」

2021-03-19 午前 11:45

幕内前半の土俵で国技館を沸かせたのが翔猿と翠富士の小さな2人。翔猿(前頭8枚目)は身長1メートル75センチで、しこ名の猿のように土俵を所狭しと動きまわる相撲が持ち味だ。相手の翠富士(前頭10枚目)は身長1メートル71センチ。幕内の平均身長は1メートル84センチで力士の大型化が進む角界では小兵の部類に入る。

 

 

2人が見せたのは予想されていた技と技の応酬ではなく、四つに組み合っての攻防だった。

 

立ち合いからの流れで互いにまわしをつかんだあとはこう着状態が続いた。

 

2人が勝機を伺って体を動かすと観客席から自然と大きな拍手が沸いた。

 

 

緊張感のある2人の様子は、四つ相撲が得意の力士どうしの取組を思わせる。2分を超える長い相撲。がっぷりと組み合った末、最後は左上手で揺さぶった翔猿が機敏な動きで寄り切った。

 

熱戦にしばらく拍手が鳴りやまなかった。

 

 

「“我慢勝ち”できてよかった。(翠富士には)勝ったことなくて苦手だったので我慢して攻めた」

 

5日目では一番とも言える好取組を制して3勝目を挙げた翔猿は何度も息をついた。

 

 

幕内4場所目を迎え今場所は取り巻く環境が大きく変わった。同じ追手風部屋の大栄翔が先場所、初めて賜杯を手にした。稽古場から知るだけに、刺激を受けないわけがなかった。

 

「こつこつ努力しているのを見てきた。(優勝は)自分にも手が届かないところではない。こつこつ努力してやっていきたい」

 

さらに今場所、兄の英乃海(前頭15枚目)が幕内に復帰し、初めて兄とそろって幕内に在籍している。兄弟同時幕内の第1号は江戸時代に誕生し今回で9組目。大相撲の歴史に兄弟で名を連ねることになった。この日は英乃海も3勝目を挙げ兄弟にとって初めての幕内での同じ日の白星となったが「そうなんですか?」と意に介さなかった。

 

新入幕で千秋楽まで優勝を争った秋場所からおよそ半年。

 

「残りも集中して思い切り頑張りたい」

 

こう短く決意を語った。同部屋力士の刺激に兄弟での活躍へ周囲からの期待を受けて快進撃を見せてくれそうだ。 

この記事を書いた人

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小野 慎吾 記者

平成28年NHK入局。岐阜局を経て、2019年8月からスポーツニュース部で格闘技(大相撲、ボクシングなど)を担当。前職はスポーツ紙記者。

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