ストーリー野球

ロッテ “令和の怪物” 佐々木朗希 実戦デビュー「先発でたくさんの試合に投げたい」 

2021-03-17 午後 05:20

“令和の怪物”と呼ばれ、プロ野球・ロッテに入団した佐々木朗希投手(19歳)。

 

2年目のオープン戦でようやく実戦デビューを果たした。その視線はすでに1軍で先発として活躍することに向けられている。

 

佐々木 投手

マウンドに立つまでは緊張していました。マウンドに立ってからは集中して投げられたと思います。

自慢のストレートで三者凡退の実戦デビュー

 

3月12日、佐々木は中日とのオープン戦でついに実戦デビュー。本拠地のZOZOマリンスタジアムに特徴のある声で「佐々木朗希」と場内アナウンスがされると、5000人に観客数が制限されているとは思えない大きな拍手が送られた。

 

 

2番の京田は初球の149キロでファーストゴロ。佐々木からほっとしたような表情が見えた。続く同じ岩手県出身の阿部は5球目の150キロでショートゴロ。

 

 

さらに4番・ビシエドは3年前のセ・リーグ首位打者。この日最速の153キロをマークした直後の6球目、152キロをアウトコースに投げ込んで見逃し三振。「あそこに投げられたら打てないよ」と言いたげなビシエドは苦笑いした。

 

12球で3人をきっちり抑えた佐々木は小さくガッツポーズを見せ、興奮冷めやらぬ様子でベンチに戻った。

 

佐々木 投手

すごく楽しかったです。今こうやってプロとしてマウンドで投げて野球ができていることに感謝しています。三振をとれたのと、三者凡退で抑えることができたので、安心したのが一番です。

体作りに主眼を置いたプロ入り後

 

佐々木は高校3年生だったおととし4月に163キロをマーク。それ以降、大きな注目が集まった。ドラフト会議では4球団が1位指名で競合した末、ロッテに入団。それでも1年目は、1軍はおろか2軍でも実戦登板がなかった。

 

チームのエース、ひいては球界を代表するピッチャーに育てるという球団の方針から、体作りに専念したからだ。

 

 

2年目となったことし春のキャンプは初日からブルペン入り。調整のペースが早いとは言えないながらも、実戦登板を見据えた調整を続けていた。

佐々木 投手

去年よりフォームとか精神的な部分でもすごく落ち着いていました。去年1年間があったおかげです。1軍の練習に1年間参加して、見て学ぶことが多く、試す機会も多かった。完成とかすることはないと思うんですけど、いい形で投げられているかなと思います。

1軍で活躍する鍵は変化球

 

これまでの歩みを肯定的に話す佐々木だが、初登板では1つの課題を口にした。それはカウントを悪くして変化球を試すことができなかったことだ。佐々木の持ち球は主にスライダーとフォークボール。初登板で投げた12球で変化球はスライダーの1球だけで完全なボールだった。1軍でローテーションに入って活躍するために、変化球も磨きをかけていきたいという。

佐々木 投手

プロのバッターはどんなに速い球でも、まっすぐしかなかったら打たれてしまう。ストレートを生かすためにも、変化球で勝負するのも必要かなと思います。しっかりまずはストレートでカウントを作って、その中でいろんな選択肢があるので、その場に応じて一番いいボールを投げられるように、常に全球種を磨き続けて準備していきたいと思います。

3月11日は特別な日

 

登板した3月12日の前日は、東日本大震災が発生した日。佐々木は津波で大きな被害を受けた岩手県陸前高田市の出身で当時小学3年生だった。父や祖父母を亡くし、自宅も流された。その後、隣の大船渡市に移り住んだ。

佐々木 投手

野球しているときが一番楽しかったので、夢中になれる時間というのがあったおかげで大変だったときとかつらいときにも頑張れたと思うので、野球があって、野球をしていてよかったと思います。

 

あれから10年が経過した。土地がかさ上げされた市街地には住宅や商店が立ち並んでいる。津波で全壊した地元の野球場も、去年7月に再建された。佐々木は復興が進むまちと、自分の成長を重ね合わせるように言った。

佐々木 投手

特に10年だからといって何か変わるわけじゃないんですけど、3月11日は毎年特別な日。少しずつですけど、まちが変わっていくところを見て、やっぱり(復興が)前に進んでることはすごくうれしいですし、僕自身、もっと前に進んでいけたらと思います。

 

私は大船渡市の取材拠点で2年ほど仕事をした。佐々木が高校生からプロ入りした時期と重なる。地元の期待が高まる様子を肌で感じていた。

佐々木 投手

10年前の僕はたくさんの人に支えられ、勇気や希望をもらいながら頑張ることしかできなかった。今はその時と違って、勇気や希望を与える立場にあると思います。元気に投げられている姿をしっかり届けられればと思いますし、そこに結果がついてくれば一番だと思うので、まずは先発として、たくさんの試合に投げたい。

 

無限の可能性を秘める佐々木。今シーズン、1軍でバッターを圧倒するピッチングを見せる時を心待ちしている。

この記事を書いた人

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舟木 卓也 記者

平成25年NHK入局。水戸局、盛岡局を経て、スポーツニュース部。

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