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大谷翔平 6回9安打5失点で2敗目 防御率3.30に 今季10被本塁打

MLB 2023年6月3日(土) 午後3:07
大谷翔平 6回9安打5失点で2敗目 防御率3.30に 今季10被本塁打

大リーグ、エンジェルスの大谷翔平選手がアストロズ戦に先発ピッチャー兼1番・指名打者で出場し、6回を投げて今シーズン最も多い9本のヒットを打たれ、5失点で2敗目を喫しました。


大谷選手は2日、相手の本拠地ヒューストンで行われたアストロズ戦に中5日で先発登板し、立ち上がりはコントロールが定まらず、1回、1アウト三塁から3番のアルバレス選手に変化球を打たれてツーランホームランで2点を失いました。

アルバレス選手は今シーズン15号で、大谷選手と並んでリーグ2位となりました。

大谷選手は2回から3回にかけては4者連続三振を奪い、4回2アウトから3連打で招いた満塁のピンチも切り抜けて追加点は許しませんでした。

しかし5回に2アウトからフォアボールと内野安打で一塁二塁とされ、4番のブレグマン選手にタイムリーヒットを打たれて1点を失いました。

続く6回は先頭バッターの一塁線へのゴロを捕り、そこに走ってきて目の前で止まったバッターに握手するように優しくタッチしてアウトにしましたが、その後、8番バッターにツーランホームランを打たれてまたも2アウトランナーなしから失点し、この回でマウンドを降りました。

大谷選手は6回を投げて今シーズン最も多い9本のヒットを打たれ、5失点でした。

球数は107球で奪った三振は6つ、フォアボールは1つで、2点台だった防御率は3.30となりました。

今シーズン初めて1番に入ったバッターでは第1打席がレフトフライ、3回の第2打席と6回の第3打席は空振り三振、8回の第4打席はフォアボールで、4点を追う9回、2アウト一塁三塁で回った第5打席は初球を打ち上げてレフトフライで最後のバッターとなりました。

エンジェルスは2対6で敗れ、同じ地区のアストロズに2連敗となりました。

大谷選手は4打数ノーヒット、フォアボール1つで打率が2割6分2厘に下がり、この試合の負け投手で今シーズンは5勝2敗となりました。


成績低下の要因は


大谷選手はピッチャーとしての成績が開幕した3月と4月は合わせて6試合に投げて4勝0敗、防御率1.85と好調でしたが、5月以降は同じく6試合で1勝2敗、防御率4.62と大きく成績を下げています。

フォアボールとデッドボールの数は3月と4月で合わせて23だったのに対し、5月以降は計14とコントロールはシーズン序盤より安定してきたにもかかわらず最近の登板で失点を重ねている要因はホームランの多さです。

大谷選手はピッチャーとして15勝をあげ大きく飛躍した昨シーズン、28試合に投げて打たれたホームランは14本でしたが、今シーズンは12試合ですでに10本となり、このうち8本を5月以降に打たれています。

今シーズン序盤はスイーパーと呼ばれる横に大きく曲がるスライダーで相手打線を寄せつけない投球を見せましたが、最近はそのスイーパーを強打される場面が多く、この試合でも1回に相手の主軸、アルバレス選手に追い込んでから決め球のスイーパーを完璧に捉えられて先制のツーランホームランを打たれ、出ばなをくじかれました。

スイーパーをホームランにされるのは6本目となり、試合後、大谷選手は「スイーパーは形としては悪くなかったが、相手がねらっているところで抜けることがちょっと多かった。もう少し有利なカウントでまっすぐなり、スプリットなり、違う選択肢はあったんじゃないかと思う」と話し、みずから決めている球種の選択を含めて反省しました。

その上で「アストロズはバラバラに攻撃するのではなく、徹底してくるチーム。少ないチャンスを全員が目的を持ってねらってくる強さがある」と話し、昨シーズンのワールドチャンピオンの試合巧者ぶりを表現していました。

そのアストロズのベイカー監督は、バルデス投手の登板日を当初の予定から1日ずらして大谷選手の登板日にぶつけ、エースどうしの投げ合いにして勝利をつかみ取りました。

ベイカー監督は試合後、大谷選手を攻略できた理由について問われると「わからないが、私たちは幸運だった。きょうはいつものようなキレがなかったと思うし、甘いボールをしっかり捉えたということだ」と多くは語りませんでした。

そして「ファウルで粘って球数を投げさせようとしたが、それでも彼はいつもと同じように投げた。そんなに簡単に攻略できるならみんなやっている。彼はベストな選手の1人なんだ」と大谷選手を攻略することの難しさを口にし、それを成し遂げた自負をのぞかせました。

これでエンジェルスは勝ち越しが1の地区4位で、首位のレンジャーズとは7.5ゲーム差、2位のアストロズとも5ゲーム差となりました。

上位との差が徐々に広がる中、プレーオフ争いに生き残るためにもアストロズとの残り2連戦をなんとか連勝して本拠地に戻りたいところです。


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