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WBC 日系選手で初の日本代表 ヌートバーの両親【一問一答】

野球 MLB 2023年1月26日(木) 午後8:12
WBC 日系選手で初の日本代表 ヌートバーの両親【一問一答】

WBCの日本代表に、新たにアメリカ人の父親と日本人の母親の間に生まれたカーディナルスのラーズ・ヌートバー選手が日系選手では初めて選ばれました。カリフォルニア州ロサンゼルス郊外に住む母親のヌートバー久美子さんと、父のチャーリーさんがNHKのインタビューに応じ、喜びを語りました。

【日本代表 全30選手のまとめはこちら】


https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230126/k10013961571000.html



ヌートバー家は、ヌートバー選手が9歳のときに、アメリカに遠征した高校の日本代表選手2人をホームステイ先として受け入れ、チームのメンバーだった田中将大投手や斎藤佑樹さんなどとも交流しました。

今も、ヌートバー選手の実家では、当時の代表選手たちのサインが入った野球帽が大切に保管されています。

ヌートバー選手は、高校までは野球とアメリカンフットボールをしていて、野球ではショート、アメリカンフットボールはクォーターバックを任されていました。

大学では野球に専念し、1年のときから外野を守るようになったということです。

両親は、息子の日本代表選出について「信じられない。うれしくてしょうがない。自分のできることを100%発揮して頑張ってもらいたい。大谷選手やダルビッシュ投手、そして、世界のベストな選手たちが集まった日本チームと一緒にプレーし、勝利に導くことを彼はすごく楽しみにしています」と話し、活躍に期待していました。


《両親 一問一答》


Q. ヌートバー選手、初選出おめでとうございます。
WBCに決まった時の経緯など教えてください。

A.【母 久美子さん】
最初に噂があるという話を聞いたのが、プレーオフぐらいのとき。シーズン終わってから、(大谷選手の)通訳の水原一平さんから電話やメールが来て、興味があるか?と聞かれ、ラーズは興味あると即答しました。

次に私のパスポートの状況、日本のパスポートなのかという確認をしていただきました。もしかしたら、ありなのかなという感じで、あれよあれよといううちに、水原さんが、また今度、栗山監督と私と自分とラーズでズームするからという話になりました。

Q. 日本代表に決まったとき率直どう思いましたか?

A.【母 久美子さん】
信じられないです。今でも信じられないですけど、うれしくてうれしくてしょうがないんです。ラーズ本人もうれしいんですけど、なるべく抑えていました。抑えめにいっているんですけど、顔はもうニコニコしていました。

母親の母国のチームからオファーをいただいて、すごくうれしかったと思います。
自分も、ずっと小さいころから半分日本人って育ってきたので、日本は半分母国という意識でした。



Q. ヌートバー選手にとって、日本とのつながりはどういったもの?

A.【母 久美子さん】
9歳の夏に日米親善高校野球が地元に来ていて、そのとき、日本人高校生球児2人をホームスティで受け入れました。そのときの経験は大きく、目の前で日本のトップの球児たち、高校生を見られたのはすごくいい経験だったと思います。ラーズは、ダッグアウトでみんなと一緒で、24時間一緒にいました。1週間から10日もあった経験でしたが、濃密な経験。



Q. 日本代表への憧れはあったのでしょうか?

A.【母 久美子さん】
どうでしょう。でも、まねはしていました。素振りとかはまねしていました。また、高校生が野球帽のつばを曲げることをまねてしていました。こっちでは曲げる子はいないですから、ラーズだけです。帽子を曲げてかぶっていたのは。

あと、リトルリーグのオールスターに出た時、自己紹介VTRで、「私の名前はラーズ・ヌートバー背番号21番です。私は日本人です」と自己紹介していました。母親が日本人であることを周りの友達にも言っていたので、日本人だということに抵抗はなかったと思います。



Q. お父さんも日本代表選出についてどう思いますか?

A.【父 チャーリーさん】
彼は、ぼくにとって自慢の息子です。日本には親近感を持っていて、日本人の高校球児との交流で非常にいい思い出だと思います。高校球児たちは、彼にとってヒーローでしたし、彼らのように練習してみたいと思っていたと思います。日本代表としてプレーするのは、すばらしいことです。

Q. お二方は、WBCでの息子の活躍にどう期待していますか?

A.【母 久美子さん】
自分のできることを100%発揮して、チームジャパンのために貢献してもらいたいです。そして、優勝してもらうように頑張ってもらいたいです。

A.【父 チャーリーさん】
日本のために一生懸命プレーすると確信しています。大谷選手やダルビッシュ投手、そして世界のベストな選手たちが集まった日本チームと一緒にプレーし、勝利に導くことを、彼はすごく楽しみにしています。彼は自分ができることを一生懸命やると思います。そして、それによりチームが前進することに期待しています。


WBCの出場選手資格は


WBCの出場選手資格は、選手本人が、その代表チームの国や地域の国籍や、永住資格を持っているという条件のほか、親のどちらかが、その国や地域の国籍を持っている、または、生まれたという場合なども認められています。

これらの条件から、ラーズ・ヌートバー選手はアメリカ出身ですが、母親が日本人のため、今回、日本代表の資格を得ることができました。

これまでの大会では、大リーグ歴代4位のホームランを打ち、「A・ロッド」の愛称で親しまれているアメリカ出身のアレックス・ロドリゲス選手が、両親がドミニカ共和国出身であることから、2006年の第1回大会は、アメリカ代表として出場したあと、続く2009年の第2回大会は、ドミニカ共和国代表で参加すると表明しました。


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