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高校野球 横浜が三重に4-2で勝利 “2年生コンビ”がけん引

野球 2022年8月9日(火) 午後1:40

夏の全国高校野球、大会4日目の第1試合は、神奈川の横浜高校が三重高校に4対2で勝って、2回戦に進みました。


横浜は3回に2年生の1番、緒方漣選手と2番の板倉寛多選手の連続タイムリーヒットで2点を奪いました。

横浜は1点リードの8回に3番の岸本一心選手の2点タイムリースリーベースで4対1とリードを広げました。

横浜の先発の2年生エース、杉山遙希投手はストレートとキレのあるスライダーを軸にコントロールよく投げ込み、三重打線をヒット6本、2点に抑えて完投しました。

横浜は三重に4対2で勝って、去年に続いて、2回戦に進みました。

一方、三重の上山颯太投手は最速で140キロを超えるストレートをインコースに投げ込み強気に攻めましたが、8回途中まで投げ、4失点でした。

打線は9回に6番の高山亮太選手のタイムリーツーベースで1点を返しましたが、去年に続く初戦突破はなりませんでした。


横浜 “2年生コンビ”がけん引


横浜は去年の夏に1年生ながら主力として甲子園を経験した2人の2年生が活躍。
去年は明暗を分けた2人がことしはそろって、成長した姿を見せました。

このうち、1年生から1番を打ち、ショートを守る緒方漣選手は、去年の夏の甲子園では1回戦で逆転サヨナラスリーランホームランを打って、衝撃的なデビューを果たしました。

緒方選手はさらなる飛躍を目指し、この1年、「泥臭く野球を」をテーマに掲げて、練習してきました。

この試合では3回に高めに浮いたチェンジアップをとらえて、右中間を破るタイムリーツーベースで先制点をたたき出し、ことしも結果を出しました。

もう1人が左投げのエース、杉山遙希投手です。
杉山投手は、安定したコントロールが持ち味で去年の夏も1年生ながら背番号「1」をつけて甲子園のマウンドに上がりました。

しかし、1回戦では9回にリリーフとして登板して、3連続ヒットを打たれ失点、2回戦でも4回3失点と、緒方選手とは対照的な結果でした。

杉山投手が「勢いだけで投げてしまっていた」と反省し、相手のバッターをよく観察し、投球の間を変えたり、試合の途中で配球を変えたりするなど投球術に磨きをかけてきました。

去年、秋には新型コロナに感染し、思うように調整できない期間もありましたが、帽子のつばに「未完成」と書いて、自分に厳しく、練習してきたということです。

この試合では、三重の打線が杉山投手のボールに対応してきていると感じ、投球のテンポや足の上げ方を1球ごとに変えて最後まで的を絞らせず、ヒット6本、2点に抑えて完投しました。

緒方選手は「杉山の投球に迫力を感じました。活躍は刺激になります」と話し、杉山投手も「学年は関係なく、2人で自分の役割をしっかりやろうと声を掛け合っています」と話していました。

切磋琢磨(せっさたくま)している2人。

去年果たせなかった2回戦突破へ、強豪・横浜を2年生コンビが引っ張ります。


横浜 2年生エース 杉山遙希投手「インコースをしっかり」


横浜の2年生エース、杉山遙希投手はフォアボールを与えず、ヒット6本で2点に抑えたピッチングについて「インコースのストレートをしっかり投げられたのがよかったです。ただ、立ち上がりは力が入ってしまって、キャッチャーが構えたところと逆にいくボールが多かったので、次の試合は修正しないといけないです」と振り返りました。

杉山投手は、1年生で臨んだ去年の夏も甲子園で投げていて「去年は緊張して、頭が真っ白になりましたが、ことしは気持ちに余裕があって相手のバッターを見て、投げることができました」と自身の成長に手応えを感じていました。


横浜 先制打 2年生 緒方漣選手「浮いた球を確実に打とうと」


横浜の2年生、緒方漣選手は、先制のタイムリーツーベースについて「低めの変化球を捨てて、浮いた球を確実に打とうと打席に入りました。結果的に高めのチェンジアップを打つことができ、よい結果になったと思います」と話していました。

また、次の試合に向けては「同じ2年生の杉山投手の活躍がいい刺激になりました。その刺激を力に変え、『3年生のために』という思いで一戦必勝で頑張りたい」と話していました。


横浜 村田浩明監督「投手中心になんとか踏ん張れた」


横浜の村田浩明監督は「とにかく守り勝つ野球をやってきました。投手を中心になんとか踏ん張れた結果だと思います」と振り返りました。

そして、無四球で完投した杉山遙希投手について「去年、悔しい思いをして1年間練習してきました。きょうは少し力みがあり本来のピッチングではない部分もありましたが、次戦に向けて経験を生かしてほしいです」と話しました。

また、8回に2点タイムリースリーベースを打った岸本一心選手について「相手投手の決め球のチェンジアップがすばらしい球でしたが、なんとか食らいついて泥臭く打ってくれました」と評価していました。

そのうえで「神奈川大会から一戦必勝でやってきました。勝利した試合も反省して準備していきたい」と次を見据えていました。


三重 上山颯太投手「仲間が声かけてくれたので緊張もほぐれた」


8回途中まで投げた三重の先発、上山颯太投手は「緊張しましたが、マウンドで仲間が声をかけてくれたので緊張もほぐれました。父親の支えもあり、大会前にけがをしてから地道なトレーニングにつきあってくれたり、前向きなことばを毎日かけてくれたりしてもらったので、きょうは投げられたと思います」と感謝の気持ちを話しました。

また、去年の夏に続いての甲子園のマウンドについて「去年は、三振を取ったときや点が入っても静かだったスタンドから大きな応援が聞こえてきて、全然違いました。応援は、自分にとっても力になったと感じています」と話していました。


三重 2年生 野田泰市選手「来年また甲子園で」


敗れた三重の2年生、野田泰市選手は6回のタイムリーヒットについて「ランナーが二塁にいて、どうしても1点が欲しかったので長打ではなく必死に食らいついてランナーをかえそうと思いました。点が入った時はうれしかったです」と振り返っていました。

そのうえで「ことしの冬にしっかり力をつけて来年また甲子園でプレーできるように頑張りたいです」と前を向いていました。


三重 2年生 高山亮太選手「先輩たちから声 楽な気持ちで」


9回にタイムリーヒットを打った三重高校の2年生の高山亮太選手は「先輩たちから声をかけてもらいとても楽な気持ちで打席に立てました。前の打席でワンバウンドの変化球も全部振ってしまっていたので最後の打席は追い込まれてから変化球で決めてくると思い、ねらって打ちました」と話していました。


三重 沖田展男監督「相手は好投手 よくやってくれた」


三重の沖田展男監督は「相手は好投手で、簡単にヒットが打てないと想定していたので、少ないチャンスを生かせるのかが鍵だと考えていました。選手たちはよくやってくれました」とたたえていました。

また、先発したエースの上山颯太投手について「けがをして先月から投げ始めた状態の中、8回に少しバテたかなとも感じましたが、堂々と投げてくれました。去年の夏よりも、ピンチの場面で冷静さを失うことなく、本来のピッチングをしていた点が成長した部分だと思います」と話していました。


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