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大相撲 約2年8か月ぶり巡業再開 多くのファンが力士たちに拍手

相撲 2022年8月5日(金) 午後9:32
大相撲 約2年8か月ぶり巡業再開 多くのファンが力士たちに拍手

大相撲の巡業がおよそ2年8か月ぶりに再開され、初日の5日、東京 立川市の会場では、感染対策がとられる中、多くのファンが横綱 照ノ富士など、間近で見る力士たちに拍手を送りました。


大相撲の巡業は新型コロナの感染拡大の影響で、令和元年の冬巡業を最後に中止されていましたが、5日から、およそ2年8か月ぶりに再開され、東京 立川市の会場には2200人余りのファンが訪れました。

ただ、開催にあたっては、巡業前に行った検査で新たに感染が確認された影響で、けがを含めて十両以上の関取13人が参加せず、専門家のアドバイスのもと、さまざま感染対策がとられました。

午前中の稽古では、土俵のまわりで待つ力士の数が制限され、土俵下にいる力士は、マスクを着けた状態で準備運動をして順番を待ちました。

そして、ぶつかり稽古が始まると、横綱 照ノ富士が平幕の若元春に胸を貸し、若元春が息を切らしながら何度もぶつかる姿に観客から拍手が送られました。



また、歌自慢の力士による「相撲甚句」や、相撲の禁じ手をおもしろおかしく紹介する「初切」もマスクを着けた状態で行われました。

幕内力士による取組では、先月の名古屋場所で初優勝を果たした平幕 逸ノ城と若元春の一番や、横綱 照ノ富士と大関 貴景勝の結びの一番に、大きな拍手が送られていました。

一方、巡業でファンの楽しみの一つとなっている力士との交流は、従来の握手会ではなく、写真撮影に留めるなど接触をしない形で行われ、訪れた人たちは巡業ならではの雰囲気を楽しんでいました。

大相撲の夏巡業は、例年、東日本各地を回りますが、今回は期間が短縮され、東京と、その周辺での開催となり、
▽6日は千葉県船橋市
▽7日はさいたま市
▽11日は茨城県古河市
▽14日は埼玉県春日部市で行われます。


横綱 照ノ富士 昇進後 初の参加「ファンがいての大相撲」


横綱 照ノ富士は、去年の名古屋場所後に横綱に昇進して以来、初めての巡業参加となり「自分としては番付が落ちて、上がってくるまで5、6年ぐらい巡業は出ていないので、本当に久しぶりだ。やはりファンがいての大相撲なので、自分もその責任を果たし、自分も楽しめるように巡業を頑張っていきたい」と話しました。

そして「横綱になるまでは、がむしゃらに強くなりたいという気持ちで、ずっと稽古に励んできたが、横綱になったら責任というか、やらなければいけないこと、いろいろな面で勉強しなければいけないことがたくさんある。それを1つずつ学んでいきたい」と話していました。

また、コロナ禍での巡業開催となったことについては「本当にしかたないことだ。ただ開催できたことは、1つでも2つでも前に進んでいると思う」と話しました。


入間川親方 “巡業ならではの催し できるかぎり対策を”


巡業部の副部長を務める元関脇 栃司の入間川親方は、先月の名古屋場所で新型コロナの感染に伴う力士の休場が相次いだことを踏まえ「巡業では十分注意をして、コロナをもらわない、うつさないということを重点に置いている。力士やお客さんに感染が広がらないようにということを、いちばんに心がけている」と話しました。

そのうえで「巡業ならではの催しものがあるので、できうるかぎりの感染対策をとっていく。そして、ファンの皆様に喜んでいただけるように考えながら進めていきたい」と話していました。


大相撲ファンは


巡業の会場を訪れた人たちは、マスクをして感染対策をしながら、間近で見る迫力ある力士の姿を楽しんでいました。

初めて巡業を見に来たという女性は「最近相撲が好きになり、会場に響く力士のぶつかり合う音を聞きたいと思って来ました」と話していました。

また、70代の男性は「毎年の巡業がコロナ禍で中止となり、残念に思っていましたが、こうして力士が集まる機会があるのはうれしいです」と話していました。

また、若い女性は「巡業は本場所と違って、リラックスした力士の姿が見られるので楽しいです」と話していました。

先月、名古屋場所で初優勝した逸ノ城のファンだという50代の男性は「逸ノ城を近くで見ることができて最高です」と笑顔で話していました。


新型コロナ感染拡大の影響で異例の事態続く


大相撲は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、先月の名古屋場所から異例の事態が続いています。

まず、名古屋場所の7日目、出羽海部屋で感染者が確認され、角番の大関 御嶽海をはじめ、所属する力士の休場が決まりました。

これまでも、新型コロナの感染で場所前に関係する部屋の力士が休場するケースはありましたが、場所中の感染確認で途中休場するのは初めてのことでした。

また、13日目には、4つの部屋で感染が確認され、幕内力士7人が途中休場となり、中入り後の18の取組のうち、7つが「不戦」となったほか、千秋楽は、八角部屋で感染が確認され、八角理事長が恒例の協会あいさつを終えたあと会場を離れ、表彰式には出席しませんでした。

十両以上の関取の休場は、けがを含めて戦後最多の23人となり、幕下以下を含めた休場力士は13部屋、174人と、全体の4分の1を超えました。

さらに来月の秋場所に向けた番付編成でも、難しい判断を迫られました。

日本相撲協会は、これまで新型コロナで休場した力士は番付を据え置くか、わずかに番付を下げる措置をとっていて、先月27日の番付編成会議のあと、伊勢ヶ濱審判部長は「ベースはいままでと同じようにやっている」と述べました。

ただ、今回は、新型コロナの影響で途中休場という初めてのケースでもあり、休場前に勝ち越しや負け越しが決まっていた力士は、その成績を考慮して番付の上げ下げを行うとしています。

また、角番だった大関 御嶽海は、勝ち越しや負け越しが決まる前、2勝4敗で迎えた7日目から休場したため、これまでの判断に照らし合わせて、大関の座に残るものとみられます。

一方、名古屋場所後の理事会では、コロナ禍での力士の休場の考え方についても意見が交わされました。

部屋で感染者が出た場合、現状では、生活をともにする力士や親方など、関係者全員を休場としていますが、「場所中に検査で陰性と確認されれば出場させたらどうか」などと、これまでのルールを見直す意見も出たということです。

しかし、現時点では、慎重な判断を求める意見もあり、議論は平行線で終わりました。

感染拡大のあおりを受ける相撲界が、今後の興行をどうスムーズに進めていくのか、異例の事態となった名古屋場所を経験したいま、改めて問われています。


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