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フィギュア全日本選手権 公式練習で各選手調整 羽生は姿見せず

2021-12-22 午後 11:06

  

北京オリンピックの代表選考を兼ねたフィギュアスケートの全日本選手権の開幕を前に22日、会場で公式練習が行われ、男子シングルで2大会ぶりの優勝をねらう宇野昌磨選手などが氷の感触を確かめました。 一方、右足首のけがのため今シーズン初めての公式戦となる羽生結弦選手は公式練習を行いませんでした。


フィギュアスケートの全日本選手権は、23日からさいたま市の「さいたまスーパーアリーナ」で競技が始まります。

大会は北京オリンピックの代表選考を兼ねて行われ、男子と女子のシングルはそれぞれの優勝者が優先的に代表に内定します。

22日は会場で公式練習が行われ男子シングルで2大会ぶりの優勝をねらう宇野選手はショートプログラムの曲をかけて演技の流れを入念に確認したほか、4シーズンぶりにフリーの演技構成に入れている4回転ループを跳んで感覚を確かめました。

また、今シーズンのグランプリシリーズで2大会を制した18歳の鍵山優真選手はフリーの曲をかけて4回転トーループからの連続ジャンプなどを跳んで調整していました。

一方、右足首のけがのため今シーズン初めての公式戦となる羽生結弦選手は公式練習を行いませんでした。

女子シングルでは2大会連続のオリンピック出場を目指す坂本花織選手と宮原知子選手、ともにトリプルアクセルに挑戦し初のオリンピック出場をねらう樋口新葉選手や河辺愛菜選手などによるしれつな代表争いが予想されます。

大会2連覇中だった紀平梨花選手は右足首の疲労骨折のため公式練習を前に欠場することを決めました。

アイスダンスでは、ことしのNHK杯で6位の村元哉中選手と高橋大輔選手のカップルと大会4連覇をねらう小松原美里選手と小松原尊選手のカップルが、1つの代表枠をかけて争います。

大会は23日、アイスダンス前半のリズムダンスと、女子シングル前半のショートプログラムが行われます。


羽生結弦 ツイッターで抱負「すべてを感じながら演技する」


羽生結弦選手は日本スケート連盟の公式ツイッターで「あすから全日本選手権が始まります。僕も全力でしっかりと丁寧にすべてを感じながら演技をしていきます。どうか応援よろしくお願いします」と抱負を話しました。

羽生選手は24日、男子シングル前半のショートプログラムに臨みます。


宇野昌磨 先週右足首をひねるけがも「練習でほぼ痛みなかった」


男子シングルで2大会ぶりの優勝を目指す宇野昌磨選手は、公式練習後の記者会見で先週土曜日の練習で右足首をひねるけがをしたことを明かしました。

そのうえで「練習でほぼ痛みはなかった。自分が思った以上にできて積み重ねてきたものがちゃんとあったと安心した。試合までの2日間で曲をかけながらジャンプの調子を取り戻せるかが大事だ」と話しました。

そして、北京オリンピックの代表選考がかかった今大会に向けては「日本のレベルはすごく高くて全選手がいろんな努力をしてきていると思う。最終選考である今大会がいちばん大切なものと考えているので全力でやりたい。ただまとめにいって逃げてしまうような演技だけはしたくないし、自分が成長できるような大会にしたい」と話していました。


鍵山優真「すごく楽しみ」


初優勝を目指す男子シングルの鍵山優真選手は「最近はよい調子できている。今の実力を確かめたいしすごく楽しみだ。今大会は今シーズン挑戦している4回転ループは跳ばないと決めたので、ここまでのところは安定感を重視して練習を積んできた」と話していました。

そして、羽生結弦選手と宇野昌磨選手の存在について問われると「去年は肩を並べるか、追いつけたらいいなと思っていたが今シーズンはオリンピックもかかっているし2人を抜かさないといけないと考えている。すごく大変なのは分かっているし、2人もたくさん練習を積んでこの大会に挑むと思うので自分は勢いは負けないよう全力で臨みたい」と意気込みを話しました。


宮原知子「きょうはいい感じで練習ができた」


宮原知子選手は「気付いたらきょうになっていたくらい、ここまでやれるだけの練習をしっかりと積んできた自信はある。一方で、もっとこれもあれもという気持ちもあって複雑だがきょうはいい感じで練習ができたのでよかった」と引き締まった表情で話していました。
2大会連続の出場がかかる北京オリンピックの代表については「もちろん、いきたい気持ちはあるが、その前にこの試合を楽しんで思いっきり滑りたい。練習では調子よくきているので、あとはできることを本番でやりたいです」と話していました。


樋口新葉 五輪代表選考の大会「あまり考えすぎず」


樋口新葉選手は「緊張と楽しみが半分半分だ。他の会場と比べると全日本選手権は暖かい会場のリンクなので、きょうは体も動いた。最近の練習ではジャンプのことばかり考えていたが、全体的にもっと大きく滑りたいと思ってここまで練習してきた」と充実した表情で話していました。

今大会はオリンピックの代表選考を兼ねていることについて「緊張もすると思うが、あまり考えすぎずに自分らしくに滑りたい。今シーズンはいいことも悪いこともいいイメージで捉えてプラスにつなげていきたいと思っていて、それができている。この大会もいいイメージを持って油断せずに落ち着いて滑る」と意気込みを話していました。


アイスダンス 高橋大輔 “ベスト尽くさないと五輪はない”


高橋大輔選手とのカップルで初優勝を目指すアイスダンスの村元哉中選手は「今シーズンはNHK杯など2大会に出場して自信を得られた。この大会に向けては新型コロナの影響でコーチが来日できないなど難しい状況もあるがいまできることを自信をもってやりたい。やっと始まるのでワクワクしている」と充実した表情で話しました。
高橋選手は、オリンピックに対する思いを聞かれると、「頭の中にはあるがそれよりも前にここでベストを尽くさないとオリンピックに行けない。ベストのパフォーマンスをして結果がついてきてくれれば」と冷静に話していました。

また今大会ではコーチが来日できないかわりに2人がシングルの選手時代に指導を受けていた濱田美栄コーチと長光歌子コーチが代わりにコーチを務めることを明かし高橋選手は「懐かしいし、とても心強い。新鮮で不思議な感じです」と笑顔で話していました。


アイスダンス 小松原美里「大会で感謝の思い伝える」


アイスダンスで大会4連覇を狙う小松原美里選手は「海外から帰国後、隔離期間中の練習場所がスケートを始めた岡山県倉敷市のリンクだった。競技生活を本格的に始めてからなかなか帰ったことがなかったので不思議な気持ちだったし感謝の気持ちであふれている。その思いを大会で伝えたい」と話していました。
カップルを組む夫の小松原尊選手は「隔離期間中、2人で過ごすなかで自分たちがなぜ滑るのかを深く考えてきた。この埼玉県の会場では2年前の世界選手権に出場して前半21位で後半に進めなかった悔しい思い出がある。今回は自分のなかで勝ちたい気持ちがあります」と決意を語りました。

また美里選手は今大会の結果が代表選考に関わる来年の北京オリンピックへの思いについて聞かれ「2人で滑り始めたときからずっと考えてきたことだしアイスダンスの日本の出場枠も自分たちで獲得した。ベストを尽くして代表に選んでいただけたらプレゼントだと思う。ただそれも1つのステップと考えているので、先を見据えながらできることをやりたい」と話していました。


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