国立科学博物館クラウドファンディング寄金の返礼ツアー

国立科学博物館は、財政難のため行ったクラウドファンディングで9億円余りの支援を寄せてもらった返礼として、茨城県つくば市にある収蔵庫でコレクションの見学ツアーを開きました。

この見学ツアーは今月から始まり、10日の午後の部では、東京や神奈川などから支援を寄せて申し込んだ10人が参加しました。
国立科学博物館は、動植物や化石の標本など国内最大規模の500万点以上のコレクションがあり、多くをつくば市の収蔵庫で保管しています。
しかし、光熱費の高騰などから収集や管理にかかる資金が危機的な状況だとしてクラウドファンディングを行ったところ、先月までの3か月間でおよそ5万6000人から目標額の1億円を大幅に上回る9億円余りが寄せられました。
参加した人たちは、ふだんは公開されていない収蔵庫の中で真鍋真副館長から恐竜の進化について説明を受けたり、化石に触ったりするなどしてツアーを楽しんでいました。
参加した20代の女性は「夫との初めてのデートがこの博物館で、思い出の場所なので支援しました。子どもや孫の代まで博物館が残ってほしいです」と話していました。
国立科学博物館の篠田謙一館長は「支援者と実際に交流して、博物館が愛されているとわかり、改めて感謝しています」と話していました。