東京女子医大手術後の男児死亡 初公判で医師2人が無罪主張

9年前、東京女子医科大学病院で手術後の2歳の男の子に鎮静剤を長時間投与するなどして死亡させたとして、業務上過失致死の罪に問われている医師2人の初公判が開かれ、2人は「鎮静剤の投与と死亡に因果関係はない」と述べて無罪を主張しました。

東京・新宿区にある東京女子医科大学病院の副運営部長だった医師の小谷透被告(64)と医師の福田聡史被告(42)は2014年、首の腫瘍の手術を受けた2歳の男の子に対し、人工呼吸器を付けた子どもへの使用を避けるべきだとされている鎮静剤の「プロポフォール」を長時間投与するなどして死亡させたとして、業務上過失致死の罪に問われています。
8日東京地方裁判所で開かれた初公判で、医師2人は「男の子が亡くなったことは本当に残念でおわびしたい。しかし鎮静剤の投与と死亡に因果関係はなく過失は存在しない」などと述べて無罪を主張しました。
検察は冒頭陳述で、「男の子の容体の変化を認識した時点でただちに鎮静剤の投与を中止すれば、男の子が死亡することはなかった」と主張しました。
一方、弁護側は「当時は鎮静剤を禁止するガイドラインはなく、投与する用量や時間についての基準もなかった」などと反論しました。