絶滅危惧のゾウ繁殖へ 専用獣舎の建設目指す 千葉 市原

絶滅が危惧されているアジアゾウを繁殖させようと、千葉県市原市にある動物園で、クラウドファンディングを活用して専用の獣舎の建設などを目指す取り組みが行われています。

千葉県市原市の動物園「市原ぞうの国」では国内で最も多い10頭のゾウが飼育されていて、このうち5頭は海外から来た親が日本で生んだ「日本生まれ」のアジアゾウです。
園によりますと、アジアゾウは絶滅が危惧されていることから現在、海外から迎え入れることが難しくなっていて、今後も飼育を続けるには日本生まれのゾウによる国内での繁殖が不可欠だということです。
このため園では、この園で生まれた雌の「ゆめ花」、「りり香」の2頭と、神戸市の動物園の両親から生まれた雄の「結希」の間での繁殖を目指しています。
成功すれば、日本生まれのアジアゾウによる初めての繁殖となるということです。
クラウドファンディングは、雄の「結希」が自然界と同じように群れから離れて単独で暮らすための専用のゾウ舎の建設や、運動場の整備などに使われる予定で、ことし7月12日までに3000万円を集めたいとしています。
市原ぞうの国の佐々木麻衣副園長は「日本で生まれたゾウどうしでの繁殖をしないと、今後、動物園からゾウがいなくなってしまう未来も考えられる。日本のゾウの現状を知ってもらいたい」と話していました。