災害停電時の電力網「マイクログリッド」整備 千葉 いすみ市
大規模な災害で停電になった際に、太陽光発電や蓄電池、それにLPガスなどを活用し、市役所や避難所などに電力を供給する「マイクログリッド」と呼ばれる電力網が千葉県いすみ市に新たに整備されました。
小規模で独立した電源でつくった電気を、限られたエリアで利用する「マイクログリッド」はいすみ市役所や災害時に避難所になる中学校、それに住宅27戸などが建ち並ぶ地域に市と電力会社などが整備しました。
市役所と中学校の屋根には太陽光パネルが設置されているほか、二酸化炭素の排出削減対策が取られたLPガスを燃料とする発電機や、大型の蓄電池、それにこれらの電力を調整するシステムが整備されています。
大規模な災害で長時間の停電が起きた場合、電力網を外部と切り離して少なくとも4日間、電力の自給自足を行えるということです。
「マイクログリッド」の整備に関わった東京大学社会科学研究所の加藤孝明特任教授は「電力は命に関わるもので、災害時に限られたエリアでも供給が続くことは、地域全体にとって意義がある。こうした電力の地産地消は、カーボンニュートラルの実現に向けても重要で、さらに広がることを期待したい」と話していました。