高齢者にタブレット貸し出し交流

新型コロナウイルスの感染リスクを減らそうと、多くの高齢者が趣味や運動のために仲間と集まるのを控えるようになっています。
こうしたなか、地域の高齢者にタブレットを無料で貸し出し、オンラインで交流を続けてもらおうという試みが千葉県松戸市で始まりました。

この取り組みは、高齢者にタブレットを3週間無料で貸し出し、感染リスクを抑えつつオンラインで趣味や運動などを続けてもらおうと、松戸市と千葉大学が共同で始めたものです。
先月、松戸市などが開いたタブレットの使い方の講習会には、市内の盆踊りサークル「出前盆おどり隊」の60代から70代のメンバー8人が参加しました。
タブレットになじみの薄い高齢者も多いことから、講習会は電源の入れ方の説明から始まり、メンバーたちは、離れていても会話ができるチャットで文字を打つ方法や、テレビ電話の通話方法を学んでいました。
このグループでは3週間の貸し出し期間中、タブレットを使って山形県の「花笠音頭」の振り付けを新たに覚えることにしました。
オンラインの練習は、テレビ電話の機能を使って週に1回から2回のペースでそれぞれが自宅で行いました。
メンバーは画面に映るお互いの姿を見て、ひとつひとつ振り付けを確認していました。
そして、先月26日、練習の成果を確認するため、換気などの感染対策をとったうえで、久しぶりにメンバーが集まって踊る場が設けられました。
当初、オンラインの練習だけでは、踊りのテンポがあっているかなど不安もあったということですが、いざ合わせてみるとメンバーたちは息ぴったりに踊っていました。
「出前盆踊り隊」の代表、畠中史郎さんは「タブレットに触れるのが全く初めての人も、オンラインでつながることができてよかった。感染を恐れて活動に参加できていない人に、タブレットを使ってもらう機会があればいいなと思う」と話していました。
メンバーの76歳の女性は「外に出なくても練習できてよかったです。使い方に慣れておけば今後も気軽に使えるようになると思います」と話していました。
松戸市が去年夏に、およそ50の高齢者グループを対象に行った調査では、およそ半数が活動の自粛を余儀なくされていたということで、松戸市福祉長寿部の郡正信部長は「最初は不安の声もあったが、1度やってみると、他の人にもぜひ教えたいという人もいた。高齢者が安心して交流を続けられるようにしていきたい」と話していました。
松戸市と共同でプロジェクトに取り組む千葉大学予防医学センターの近藤克則教授は「コロナを恐れて外出しないと足腰が弱まったり認知症が進行したりするリスクがある。こういった技術を使って運動を続けてほしい」と話していました。