衆議院 区割り見直し

小選挙区 区割り見直し 衆院を通過

小選挙区 295→289に再編

衆議院の1票の格差の是正に向けて、青森、岩手、三重、奈良、熊本、鹿児島の6つの県で小選挙区を1つずつ減らすことなどを盛り込んだ改正公職選挙法が7月16日に施行され、次の衆議院選挙から小選挙区の数が295から289に再編されます。
また比例代表も、東北、北関東、近畿、九州の4つのブロックで、定員が1つずつ減ることになり、その結果、衆議院の議席数は、小選挙区が289、比例代表が176の合わせて465となり、戦後最も少なくなります。

区割り見直しのポイント

過去最大規模の区割り見直しに

区割りが見直されるのは合わせて19の都道府県。このうち青森、岩手、三重、奈良、熊本、鹿児島の6県で小選挙区が1つずつ減ります。

また北海道、宮城、福島、埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪、兵庫、愛媛、福岡、長崎の13都道府県で区割りの線引きが変更されます。

この結果、現行の区割りが見直される選挙区は合わせて97選挙区となり、平成6年に衆議院に小選挙区制度が導入されて以降、最も大規模な区割りの見直しになりました。

1票の格差は「1.999倍」に

今回の区割りの見直しについて、平成32年の見込み人口を基に試算すると、最も人口が多い選挙区は東京22区(55万4880人)で、これを、最も人口が少ない鳥取1区(27万7569人)と比較すると、1票の格差は1.999倍となり、見直し前の最大2.176倍から改善されます。

市区町村などの分割状況

複数の選挙区に分割される市区町村などの数は、これまでの88から17増えて105となります。

このうち、新たに複数の選挙区に分割されるのは8つの都道県の26か所で、札幌市北区、西区、仙台市太白区、さいたま市見沼区、埼玉県川口市、越谷市、東京都港区、新宿区、台東区、品川区、目黒区、中野区、杉並区、豊島区、板橋区、八王子市、多摩市、稲城市、横浜市都筑区、川崎市宮前区、神奈川県座間市、愛知県瀬戸市、兵庫県西宮市、川西市、福岡市南区、城南区です。

分割の線引きが変更されるのは6つの都県の10か所で、千葉県船橋市、東京都大田区、世田谷区、足立区、江戸川区、川崎市中原区、相模原市南区、三重県四日市市、松山市、鹿児島市です。

一方、今回の区割りで分割が解消されるのは5県の9か所で、青森市、盛岡市、津市、熊本市中央区、西区、南区、北区、熊本県山都町、鹿児島県南九州市です。

区割り見直しの経緯

衆議院選挙の1票の格差をめぐっては、3年前(平成26年)に行われた衆議院選挙で最大で2.13倍の格差があり、最高裁判所が、おととし11月、「違憲状態」だったという判決を出しました。

最高裁判所による「違憲状態」の判決は、平成21年と24年の衆議院選挙をめぐっても出されていて、3回連続になりました。

こうした事態を重く見た国会は、去年5月、衆議院の小選挙区を6つ減らして、1票の格差が2倍未満となるように区割りを見直す法律を成立させました。

政府の衆議院議員選挙区画定審議会は、この法律に基づいて具体的な区割りの見直しを検討していました。

小選挙区削減対象の6県

見直し(削減)の概要

青森4→3

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青森

1区から五所川原市及び北津軽郡を除いた区域と2区のむつ市、下北郡、上北郡野辺地町、横浜町、六ケ所村及び4区に属する青森市の区域とを合わせて新1区とし、2区の残余の区域と3区とを合わせて新2区とし、1区の残余の区域と4区の残余の区域とを合わせて新3区とした。

岩手4→3

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岩手

1区と2区に属する盛岡市の区域とを合わせて新1区とし、2区の残余の区域と3区の大船渡市、遠野市、陸前高田市、釜石市、気仙郡、上閉伊郡及び下閉伊郡山田町とを合わせて新2区とし、3区の残余の区域と4区とを合わせて新3区とした。

三重5→4

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三重

1区から名張市及び伊賀市を除いた区域と4区に属する津市の区域及び松阪市とを合わせて新1区とし、1区の残余の区域と2区の亀山市、鈴鹿市及び四日市市の日永、四郷、内部、塩浜、小山田、河原田、水沢、楠の8地区市民センター管内とを合わせて新2区とし、2区の残余の区域と3区とを合わせて新3区とし、4区の残余の区域と5区とを合わせて新4区とした。

奈良4→3

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奈良

1区と2区の生駒市とを合わせて新1区とし、2区の残余の区域と3区の香芝市、磯城郡及び北葛城郡とを合わせて新2区とし、3区の残余の区域と4区とを合わせて新3区とした。

熊本5→4

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熊本

1区から熊本市西区の区域を除いた区域と2区に属する熊本市中央区の区域及び3区に属する熊本市北区の区域とを合わせて新1区とし、2区の残余の区域と1区に属する熊本市西区の区域及び4区に属する熊本市南区の区域とを合わせて新2区とし、3区の残余の区域と4区に属する上益城郡の区域とを合わせて新3区とし、4区の残余の区域と5区とを合わせて新4区とした。

鹿児島5→4

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鹿児島

1区と3区に属する鹿児島市の区域とを合わせて新1区とし、2区と3区に属する南九州市の区域、3区の枕崎市及び南さつま市とを合わせて新2区とし、3区の残余の区域と4区から霧島市を除いた区域とを合わせて新3区とし、5区と霧島市とを合わせて新4区とした。

見直しの県別の概要は総務省の報道資料より引用。
県名をクリックすると、総務省作成の資料(PDF)をご覧いただけます。

区割りの線引き見直し対象の都道府県

見直しの概要

北海道

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・ 4区と1区の札幌市西区のうち、発寒、発寒北、八軒、八軒中央の各連合町内会の区域とを合わせて新4区とし、1区の残余の区域と2区の札幌市北区のうち、鉄西連合町内会の区域とを合わせて新1区とし、2区の残余の区域で2区とした。
・ 上川総合振興局に属する10区の幌加内町と6区とを合わせて新6区とし、宗谷総合振興局に属する10区の幌延町と12区とを合わせて新12区とし、10区の残余の区域で新10区とした。

宮城

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・ 3区と1区の仙台市太白区の秋保総合支所管内とを合わせて新3区とし、1区の残余の区域で新1区とした。
・ 5区と4区の宮城郡松島町、黒川郡大郷町及び6区の本吉郡南三陸町とを合わせて新5区、4区の残余の区域で新4区、6区の残余の区域で新6区とした。

福島

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・ 4区と3区の西白河郡西郷村とを合わせて新4区とし、3区の残余の区域で新3区とした。

埼玉

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・ 5区と1区のさいたま市見沼区のうち、芝川とJR宇都宮線で区切られた区域(第1及び第2投票区)とを合わせて新5区とし、1区の残余の区域で新1区とした。
・ 15区と2区の川口市の芝支所管内のうち、JR高崎線、宇都宮線、京浜東北線の沿線区域(第50及び第54~56投票区)とを合わせて新15区とし、2区の残余の区域で新2区とした。
・ 13区と3区の越谷市の北部地域の東武スカイツリーライン、国道4号、元荒川で区切られた区域(第17~22及び第66投票区)とを合わせて新13区とし、 3区の残余の区域で新3区とした。

千葉

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・ 13区と4区の船橋市船橋駅前総合センター管内のうち、丸山地区(丸山1丁目~5丁目)とを合わせて新13区とし、4区の残余の区域で新4区とした。

東京

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25選挙区中21選挙区で見直し

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神奈川

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・ 8区と7区の横浜市都筑区のうち、荏田地域周辺(第13、14及び第27投票区)の区域とを合わせて新8区とし、7区の残余の区域で新7区とした。
・ 9区と18区の川崎市宮前区のうち、第15投票区とを合わせて新9区とし、18区の残余の区域と10区の川崎市中原区のうち、第17投票区の区域とを合わせて新18区とし、10区の残余の区域で新10区とした。
・ 16区と13区の座間市のうち、相模が丘地域(第19~22投票区)及び14区の相模原市南区のうち、第26投票区の区域とを合わせて新16区とし、13区の残余の区域で新13区とし、14区の残余の区域で新14区とした。

愛知

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・ 14区と12区の額田郡幸田町とを合わせて新14区とし、12区の残余の区域で新12区とした。
・ 6区と7区の瀬戸市の水野支所管内のうち、十軒家投票区の区域とを合わせて新6区とし、7区の残余の区域で新7区とした。

大阪

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・ 2区と1区の大阪市生野区とを合わせて新2区とし、1区の残余の区域と4区の大阪市東成区とを合わせて新1区とし、4区の残余の区域で新4区とした。

兵庫

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・ 5区と6区の川西市のうち、旧東谷村の区域とを合わせて新5区とし、6区の残余の区域で新6区とした。
・ 2区と7区の西宮市のうち、山口支所管内及び塩瀬支所管内とを合わせて新2区とし、7区の残余の区域で新7区とした。

愛媛

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・ 4区と2区の上浮穴郡久万高原町とを合わせて新4区とし、2区の残余の区域と1区の松山市の浮穴投票区及び久谷第1~4投票区の区域とを合わせて新2区とし、1区の残余の区域で新1区とした。

福岡

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・ 3区と2区の福岡市城南区のうち、七隈及び梅林投票区の区域とを合わせて新3区とし、5区と2区の福岡市南区のうち、鶴田、老司、弥永西及び弥永投票区の区域とを合わせて新5区とし、2区の残余の区域で新2区とした。

長崎

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・ 3区と4区の北松浦郡小値賀町とを合わせて新3区とし、4区の残余の区域と2区の西海市とを合わせて新4区とし、2区の残余の区域で新2区とした。

見直しの都道府県別の概要は総務省の報道資料より引用。
都道府県名をクリックすると、総務省作成の資料(PDF)をご覧いただけます。

比例代表の定員見直し

選挙ブロック 現行 変更後
北海道ブロック 8 変更なし
東北ブロック 14 13
北関東ブロック 20 19
南関東ブロック 22 変更なし
東京ブロック 17 変更なし
北陸信越ブロック 11 変更なし
東海ブロック 21 変更なし
近畿ブロック 29 28
中国ブロック 11 変更なし
四国ブロック 6 変更なし
九州ブロック 21 20