デジタル技術で村づくり進める更別村にサテライトオフィス完成
デジタル技術を活用した村づくりを進める十勝の更別村で、関連企業が入居するサテライトオフィスが完成し、関係者にお披露目されました。
村の中心部に完成したサテライトオフィスは、延べ床面積およそ171平方メートルの木造平屋建てで、中はカフェのようなつくりになっていて、住民や地元の企業が利用できる共有スペースもあります。
完成したオフィスには村のデジタル事業に関わるIT企業やコンサルティング会社など6社の入居が決まっていて、すでに満室だということです。
建設などにかかった費用はおよそ6000万円で、地方のデジタル化を進めて課題解決を目指す国の「デジタル田園都市国家構想」の交付金1500万円余りが活用されました。
入居する企業の担当者は「都会と違い、広々として快適に作業できそうだ。立地としてもスマート農業を進めるうえで農家さんが近くにいるので実際に見て分かるのが良い」と話していました。
更別村企画政策課の今野雅裕参事は「デジタル推進の拠点になり企業の皆さんが事業を行い人材確保の場所になる。企業が入ることで雇用の拡大や移住者の増加にもつながれば」と話していました。
【村はデジタルと企業誘致に力】
人口3100人あまりの更別村は、デジタル化や先端技術の活用と関連する企業の誘致に力を入れています。
去年10月からは、国の「デジタル田園都市国家構想」の交付金などを活用して、自動運転の車を使った村内の公共施設の間の移動や、住民が店で購入した商品をロボットが配送してくれるサービスなどが始まっています。
また、おととしには東京大学がスマート農業の研究拠点を村内に開設し、村民向けのスマート農業の講座も開かれるなど先端技術の導入に力を入れています。
村内にはデジタル事業に関連する企業が進出し、移住につながっているほか、企業などの関係者が村内の宿泊施設や飲食店を利用することで新たな経済効果も生まれています。
村としては、今回完成したサテライトオフィスを足がかりにデジタル化による新たな地方創生につなげたい考えです。