北海道新幹線トンネルが一部貫通 長万部町で約1.3キロ
北海道新幹線の札幌への延伸に向けて進められている工事のうち道南の長万部町にあるトンネルが貫通し、2日報道関係者に公開されました。
公開されたのは長万部町にある「国縫トンネル」の工事現場です。
おととしから1日6メートルほどのペースで札幌方面から掘り進められ、10月13日、全長およそ1.3キロ、幅およそ9.5メートル、高さおよそ8メートルのトンネルが貫通しました。
工事を行う「鉄道・運輸機構」によりますと、工期に遅れはなく今後、側壁や路面を固める工事が進められるということです。
「鉄道・運輸機構」の竹村和晃長万部鉄道建設所長は「貫通したときの光景を見て今までの苦労が報われてやりがいと達成感を感じることができました。引き続き安全を第一に周辺環境に配慮しながら工事を進めていきたいです」と話していました。
【土砂の受け入れ先が課題 延伸時期に懸念も】
北海道新幹線の札幌延伸に伴うトンネル工事を巡っては工事で出る有害物質を含む土砂の受け入れ先の確保が課題となっています。
北海道新幹線の札幌延伸に向けて「鉄道・運輸機構」は新函館北斗から札幌までの区間、およそ212キロで工事を進めています。
全体の8割をトンネルが占めていて10月1日時点でのトンネルの掘削率は56%となっています。
トンネル工事では国の基準を超える自然由来の重金属を含む「対策土」が発生しますが、処分場について農業関係者などが土壌への影響を懸念して受け入れに反対するケースが各地で相次いでいます。
「鉄道・運輸機構」によりますと「対策土」の処分場の確保ができた割合は11月1日時点で67%にとどまっていて2030年度末の札幌延伸時期への影響が懸念されています。