初の実務者会議 費用負担を確認

東京オリンピックのマラソンと競歩の札幌開催が決まったことを受け、大会組織委員会と札幌市、道の実務者による初めての会議が開かれました。焦点となっている費用負担は、運営に必要な大会経費は組織委員会とIOC=国際オリンピック委員会、道路補修といった行政経費は札幌市と道が負担することを確認しました。

8日、札幌市で大会組織委員会と札幌市、道の実務者による初めての会議が行われました。
この中で組織委員会の佐藤広副事務総長は冒頭「会場やコースの選定、練習会場や宿泊などたくさんやることがある。丁寧に課題に取り組まなければいけないので短期間で集中的に議論したい」と述べました。
これに対し札幌市の中田雅幸スポーツ局長は「一致団結して成功に向け最大限の努力をしていく。市民の中には費用負担や市民生活への影響に心配の声もあり、検討にあたっては十分配慮してほしい」と述べました。
会議では、焦点となっている札幌開催で新たに生じる費用負担について、運営に必要な「大会経費」は組織委員会とIOCが持つ原則を確認しました。
行政が通常のサービスとして行っている道路補修や救護といった「行政経費」は札幌市と道が負担するということです。
また、開催まで時間が限られているとして、大会の準備にあたっては施設や運営面で簡素化や効率化を図ることも確認しました。
マラソンと競歩のコースについては、▼札幌ドーム、▼大通公園、▼円山公園を発着地点とする3案が示され、来月予定されているIOC理事会で承認を得られるよう協議を急ぐことを確認しました。
今後、実務者協議を月2回のペースで開催するほか、地元主体の協議会を設置することを検討し、大会に向けた準備を急ぐことにしています。

【事務総長が候補地視察】
大会組織委員会の武藤事務総長は、札幌市と道に挨拶に訪れた後、組織委員会がマラソンと競歩のコースの発着点として検討している▼大通公園、▼札幌ドーム、▼円山公園の3か所を2時間かけて視察しました。
視察には、組織委員会がコースを検討するなかで最優先に課題を洗い出している「北海道マラソン」の主催者も同行し、それぞれの場所で説明を受けました。
このうち、札幌ドームでは組織委員会の担当者が公道につながる道が狭く、発着点とする場合には改修が必要になることなどを説明していました。
これに対し、武藤事務総長は「改修すると元に戻さなければならず、かなりのコストがかかるのではないか」などと質問していました。
視察を終えた武藤事務総長は、「コースの発着点は、来月上旬のIOCの理事会で承認を得なければならず、最も早く決定しなければならない事項だ。札幌ドームは改修が必要で円山公園は丘陵地帯のため競歩のコースには使いづらい。大通公園は、大会時期が市民にとって大事なイベントに重なるなどそれぞれに課題があるが意思決定の簡素化、効率化を進め、決定を急ぐ」と話しました。

【事務総長 知事との会談では】
武藤事務総長は鈴木知事と会談し、「競技会場が決まるとどのくらい経費がかかるのかなどいろいろなことが次々と問題になってくる。一つ一つ丁寧に意見交換して地元の理解を得ながら進めていきたい」と述べ協力を求めました。
これに対し鈴木知事は「短時間で調整が進むが体制を直ちに構築して連携を図りながら『色々あったが大成功に導くことができた』とあとでみんなで言えるようにこれからも力添えをしてほしい」と述べました。
そして鈴木知事は、新たに発生する費用は地元ではなく組織委員会が負担すべきだという考えを改めて伝えました。

【事務総長 札幌市長との会談では】
一方、8日午前、大会組織委員会の武藤事務総長は札幌市の秋元市長と会談しました。
この中で武藤総長は、「いろいろ課題がある中、競技会場を決めるのが早急な課題だ。実務者での協議を重ねながら、方向性を出すことができれば大変ありがたい」と述べ協力を求めました。
そのうえで、▼札幌開催に伴い新たに発生する費用負担について地元に負担を求めないことが基本だとする認識を示しました。
さらに、▼7日に組織委員会の森会長がこれまで最終日に行われている男子マラソンを前倒しする競技日程の変更が必要だとする認識を示したことに対し、武藤総長は「まだ調整事項があるので、現在のところ決まってない」と述べました。

【知事 行政経費負担の考え示す】
鈴木知事は記者会見で「具体的にまだコースも決まっていない、開催日も決まっていない、経費の詳細も分からない。関係者とどういう態勢が一番望ましいか、速やかに態勢を組んでいきたい」と述べました。
そのうえで費用負担について「自治体の担うべき業務として整理されているものが行政経費だ。通常の行政経費の中で大きな負担が生じることは現時点ではあまり想定できない」と述べ、行政経費を負担する考えを示しました。