原子力規制委が泊原発の現地調査

北海道電力泊原子力発電所の再稼働に向けた安全審査を行っている国の原子力規制委員会は11日現地を訪れ、敷地内の断層が将来動く可能性がある「活断層」かどうかを調べるため付近の地質を調査しました。

11日、現地を訪れたのは原子力規制委員会の石渡明委員ら19人です。
泊原発の安全審査では、敷地内にある断層が12万年前から13万年前以降にできた将来動く可能性がある「活断層」にあたるかどうかが焦点となっています。
石渡委員らは、敷地の中と外にある断層周辺の地層を見て、中にある砂や石の形状や色、特徴を確認していました。
そのうえで、北海道電力の担当者の説明を受けながら、断層上部の地層は、33万年前より古く海底が隆起してできたとする北電の主張が妥当かどうかを調べました。
泊原発の安全審査は申請からすでに5年あまりがたち、全国で最も長くなっています。
この間、原発は運転を停止したままですが、毎年、維持費などで700億円前後の経費がかかっています。
11日の調査を終えた石渡委員は、「2年前と比べるとはるかに見通しが良くなった。今後の審査会合の場で議論しながら一番妥当な解釈に落ち着けたい」と述べました。
現地調査はあすも行われ、泊原発の安全審査での地質をめぐる議論が進展するかどうかが注目されます。

【審査長期化の理由は】
審査が長期化しているのは、原発周辺の断層の活動性について北海道電力が示すデータが原子力規制委員会から不十分だと指摘されているからです。
断層が将来地震を引き起こす可能性があるとする判断基準は、12万年から13万年前よりも新しい時期に活動した痕跡があるかどうかです。
北海道電力は当初、断層の上にある地層に20万年前の火山灰の層が残っていることを示すことで将来活動しないと説明しようとしていました。
ところが去年12月、調査の結果、その火山灰の層をはっきりと見つけることができなかったと報告しました。
そこで北海道電力は別の方法で説明する方針に変えました。
敷地の海側にある階段状の地形の地層を調査し、その結果、ことし8月、断層が動いた年代は新しいものでも21万年前よりも古く、将来動く可能性はないなどと評価しました。
11日行われた規制委員会の調査では、北海道電力はこの断層の活動性について33万年前よりも古く、海底が隆起してできたなどと述べ、活動性はないと説明したということです。
一方、泊原発をめぐってはこのほか、
▼近くにある積丹半島の北西沖の海底に活断層があると仮定した場合、どの程度の地震の揺れが想定されるのか評価が求められていて、さらに、
▼新たに建設する方針の防潮壁についても、地盤の液状化にどう対応するか検討が続き、防潮壁の建設にも相当の時間がかかる見込みです。
このため、北海道電力の目指す泊原発の再稼働の時期は見通せていないのが現状です。