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〜めがねなしの立体映像用カメラの実現を目指して〜
“新たな撮像デバイス”の技術開発に成功
(平成26年12月16日)


□ NHKは、将来の特殊なめがねを用いることなく自然な立体感のある映像を撮影可能なカメラの実現に向け、研究開発を進めています。

□ 今回、東京大学生産技術研究所と共同で、カメラに搭載する新たな撮像デバイスの技術開発に成功しました。

□ 撮像デバイスはカメラの中枢となる部品で、縦横に配列した画素で受けた光の明るさを電気信号に変換して出力する素子です。その性能は、精細さの目安となる「画素数」や動きの滑らかさの目安となる「フレームレート」*1)などで表されますが、立体映像を撮影する場合、2次元の映像をはるかに超える画素数が必要になります。

□ 現在の一般的な撮像デバイスは、多数の画素から信号を順次読み出す構造になっており、画素数を増やすと信号出力に時間がかかるため、フレームレートが低くなるという課題がありました。

□ 今回開発したデバイスは3次元構造(「3次元構造撮像デバイス」)」で、半導体回路を接着層なしで積層*2)し、画素の直下に各画素専用の信号読み出し回路を配置することで、画素数に関わらず1画面を1回の信号読み出しで出力できます。これにより、「超多画素化」と「高フレームレート化」を両立させることが可能となります。

□ 本研究成果は、米国で開催されている2014 IEEE*3) International Electron Devices Meeting(12月15−17日)で報告しました。

□ 将来、立体映像を活用した新たな放送サービスの可能性を開くものであり、今後も実用化を目指して研究を進めていきます。

*1) フレームレート:1秒間あたりの画像の枚数
*2) 接着層なしで積層:半導体回路を構成する原子同士を直接結合させて回路を積層する技術で、この技術を用いて全画素一斉に信号を読み出せる撮像デバイスを初めて実現
*3) IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers): 米国電気電子技術者協会
 
 
 
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