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◆ISDB-T混信局探索装置を開発
希望波を停波させることなく混信局の探索が可能に
(平成24年7月19日)


□ NHKは、視聴者のみなさまに地上デジタル放送を安定してお届けするためのさまざまな取り組みを進めています。今回、地上デジタル放送波の混信調査を効率良く行うために、ISDB-T*1)混信局探索装置を新たに開発しました。

□ 気象条件などによって電波の異常伝搬が発生すると、受信したい放送波(希望波)に他の放送波が混信してしまう場合があります。これを解決するためには、混信波を送信している地上デジタル送信局(混信局)を特定する必要がありますが、これまでは深夜時間帯に希望波を停波させて混信局の探索を行う必要がありました。

□ 今回開発した装置は、「混信波抽出部」と「混信局推定部」から構成され、希望波を停波させることなく混信波を抽出した上で、混信局を高精度に推定することができます。主な特長は以下の通りです。

 (1) 「混信波抽出部」では、希望波のワンセグ部分のレプリカ信号を生成し、受信 波からこのレプリカ信号を引き算することによって、希望波を停波させること なく混信波のワンセグ信号を抽出することができます。混信波の映像・音声を 市販のワンセグ受信機で確認することも可能であり、混信調査の大幅な迅速化 と効率化を実現しました。
 (2) 「混信局推定部」では、多数のビット誤りのあるネットワークID*2)を統計処理 することによって、混信波の受信レベルが極めて低い状況などにおいても、混信 波のネットワークIDを高精度に推定することが可能です。

□ NHKでは、完全デジタル移行後も、引き続きデジタル放送の良好な受信環境の維持・改善に向けた諸課題に取り組んでいきます。

※1) ISDB-T (Integrated Services Digital Broadcasting-Terrestrial):日本の地上デジタル放送方式
※2) ネットワークID:地上デジタル放送波で伝送されているメディア別の固有な識別子
 
 
 
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