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◆時空間トレリス符号化MIMOシステムを開発
〜ロードレース中継の高度化を実現する伝送システム〜
(平成24年5月17日)


□ NHKでは、マラソンや駅伝などのロードレース中継において、より安定した伝送や映像の高画質化を実現するための移動中継用伝送システムの研究開発を進めています。

□ 従来の伝送システムは、1送信・1受信の送受信系統によって映像を伝送していましたが、今回開発した伝送システムは、2送信・2受信の送受信系統による時空間トレリス符号化MIMO方式(2x2 STTC-MIMO*1))を採用しています。

□ この方式では、MIMO伝送技術*2)の一つで、2つの送信系統(空間方向)で相互に補いながら時間方向の誤り訂正符号化を行う時空間符号化技術*3)を用いています。これによって、同じ周波数帯域幅で従来の2倍程度(16QAMで約40Mbps)の伝送容量を確保するとともに、ダイバーシチ効果によって途切れにくい、より安定した伝送を実現しました*4)

□ 本システムは、5月24日(木)〜27日(日)に開催する放送技術研究所の一般公開でご覧いただけます。NHKではロードレース中継の高度化に向けて、STTC-MIMO方式の技術的な検証を行うとともに、700MHz帯の周波数移行先候補として検討されている1.2GHz帯や2.3GHz帯での伝送実験も進めていきます。

※1) STTC:Space-Time Trellis Code、MIMO:Multiple-Input Multiple-Output
※2) 送信および受信に複数のアンテナを用いて同一周波数で伝送し、伝送容量の拡大や途切れ難さを実現する無線伝送技術
※3) 時間および空間に冗長に符号化を行って情報を伝送することによりダイバーシチ効果を得る技術
※4) 送信および受信アンテナ間のチャネル応答の相関(チャネル相関)が低くなるアンテナ配置を想定しています。チャネル相関に応じてダイバーシチ効果は変化しますが、後段の誤り訂正を従来よりも強化したこともあり、チャネル相関の影響は低く抑えられています。


 
 
 
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