技術情報 NHK information
Copyright NHK (Japan Broadcasting Corporation) All rights reserved. 許可なく転載を禁じます。

◆インテグラル立体テレビがより鮮明に!
〜スーパーハイビジョンを超えた技術を応用し、画質が大幅にアップ!〜
(平成23年5月20日)
 

○ NHKは、特殊な眼鏡をかけなくても、自然な立体映像が見られるインテグラル立体テレビの開発を進めています。今回、NHKとJVC・ケンウッド・ホールディングス(株)が共同で、インテグラル立体テレビの奥行き感の大幅な向上に成功しました。

○ インテグラル立体テレビでは、縦横の異なる様々な方向から見た映像を表現するため、極めて高い解像度で撮影し、表示する超高精細映像技術が必要です。このためNHKでは、これまでスーパーハイビジョン(SHV)技術をインテグラル立体テレビに応用してきました。しかし、解像度や奥行き感をさらに改善するには、SHVを超える情報量を持つ超高精細映像の技術が必要でした。

○ そこで、SHVの緑色(G)の画素数を2倍にする画素ずらし技術*1と、映像を鮮明にするデジタル信号処理を応用し、インテグラル立体テレビ用の超高精細映像を開発しました。さらに、レンズアレー*2のレンズの並びの精度を向上させるなど、この超高精細映像に適した光学系の開発も行いました。これらより、インテグラル立体像を鮮明に再現できる奥行きの範囲が2倍(図1)まで広がり、画面全体の画質も向上することができました。

○ 本研究の成果は、5月26日(木)〜29日(日)に開催する放送技術研究所の一般公開でご覧いただけます。



*1 緑色(G)信号の素子を2枚とし、相互に斜め方向に半画素ずらして組み合わせることで、水平・垂直方向の解像度を実質的に倍にする方式です。今回は、走査線4320本の素子を用いているため、走査線8640本相当の解像度が得られます。
*2 インテグラル立体テレビの撮影と表示に使う、微小レンズを多数配列したものです。
   
この研究の一部は、NICT(独立行政法人 情報通信研究機構)の委託研究「多並列・像再生型立体テレビシステムの研究開発(平成18年度〜22年度)」として実施しました。





(参考)

 本開発では、映像の情報量拡大に加え、デジタル信号処理(空間高域成分の補償、歪の補償など)や光学系(レンズの並びの精度向上)にも改良を行うことで、総合的な奥行き感を改善しました。今回の開発により、画面の奥にある物や手前に飛び出した物のきれいに見える奥行き範囲が2倍に広がり、画面全体の奥行き感が向上しました。


 
 
 
ページトップにもどる
経営情報へ戻る前に戻る