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◆高性能で小型のスーパーハイビジョン符号化装置を開発
(平成22年5月19日)


○ NHKは、従来よりも高性能で小型のスーパーハイビジョン符号化装置を、(株)富士通研究所と共同で開発しました。

○ スーパーハイビジョンは、画素数がハイビジョンの16倍の超高精細 映像システムで、放送やIP回線による伝送を実現するには、効率的な圧縮符号化が必要です。

○ これまでは、衛星回線やIP回線を用いた長距離伝送には、AVC/H.264*1方式によるスーパーハイビジョン信号の圧縮符号化装置を使用していました。この装置では、毎秒60フレームのスーパーハイビジョン信号を空間方向に8分割、時間方向に2分割しており、毎秒30フレームを処理するHDTV用符号化ユニットが計16台必要でした。

○ 今回新たに開発した装置は、毎秒60フレームの処理が可能なAVC/H.264方式HDTV符号化ユニット8台から構成されています。これにより、スーパーハイビジョン信号の時間方向の分割が不要となり、隣接するフレームでの動き補償*2を行え、符号化効率を高めることが可能です。さらに、デュアルグリーン方式*3の画素構造を、HDTV符号化ユニットに適した構造に変換する処理を行うことにより、符号化による画質劣化を抑えられました。

○ これらの改善により、従来の装置と比べて約半分の伝送情報量で同程度の画質を確保し、スーパーハイビジョンを伝送することが可能になりました。この装置は、5月27日から30日に開催するNHK放送技術研究所の一般公開で展示します。

*1 ISO/IECとITU-Tが共同で標準化した符号化方式。
*2 フレーム間で動きを予測してデータ圧縮する処理。
*3 光の3原色の中で視覚の解像度に最も寄与しているG(緑色)信号用に2枚の撮像素子を斜め方向に半画素ずらして配置し、それらの間にR(赤色)、B(青色)信号用を1枚づつ配置することで、実質的に縦横方向に2倍の解像度を得る方式。


 
 
 
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