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◆ネットワークの混雑状況に適応する“ハイビジョンIP伝送装置”を開発
〜インターネットでも安定したハイビジョン伝送が可能に!〜
(平成21年11月17日)

○ NHKは、ネットワークの混雑状況に応じて映像圧縮率と伝送方法を制御することにより、伝送帯域が保証されない一般のIPネットワークでも映像をより安定に伝送できるIP伝送装置を開発しました。

○ 放送局では、緊急時や専用のマイクロ波回線が不足した場合などの映像伝送手段として、一般のIPネットワークを利用する機会が増えています。しかし、一般のIPネットワークの場合、不特定多数の利用者が共有して利用するため、同時間にたくさんの人が利用すると回線が混雑して利用できる帯域が大きく減少してしまうことがあります。その場合、従来のIPネットワーク用中継伝送装置では、映像や音声にノイズが入ったり、途切れてしまうという問題がありました。

○ NHKが開発した装置は、IPネットワークの混雑状況を推定しながら映像の圧縮率と伝送パケットの誤り制御を適応的に変化させる新たな伝送制御技術により、ネットワークが急激に混雑した時でも映像、音声を安定に中継することができます。伝送帯域の容量に合わせ、128[kbps]〜60[Mbps]の広い範囲でビットレートを変化させることにより、携帯電話、衛星電話回線といった低ビットレート回線も利用することが可能です※1

○ この装置は、今月開催される「Inter BEE 2009」※2(11月18日〜20日、幕張メッセ)にて展示される予定です。

○ NHKでは、今後も緊急報道など様々な状況下での映像伝送を可能とする技術を追求していくとともに、効率的な番組制作を目指した研究・開発を進めていきます。

*1 画質は利用する回線の伝送帯域の容量に依存します。
*2 株式会社エクスプローラのブースにて展示予定。




図1 システム概要図


図2 装置外観

 
 
 
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