技術情報 NHK information
Copyright NHK (Japan Broadcasting Corporation) All rights reserved. 許可なく転載を禁じます。
◆「地上デジタル放送伝送技術の発明」で全国発明表彰“特別賞”と“発明実施功績賞”を受賞
(平成21年5月15日)


○ NHKが発明・開発した地上デジタル放送伝送技術ISDB−T方式に対し、平成21年度全国発明表彰特別賞の日本弁理士会会長賞が贈られることになりました。同時に、NHK会長の福地茂雄が、日本の科学技術の向上に貢献した企業の代表者に贈られる発明実施功績賞を受賞します。

○ 地上デジタルテレビ放送の伝送方式には、米国のATSCと欧州のDVB-Tがありますが、いずれも家庭向けに放送する固定受信用の方式であり、携帯端末や移動体では受信できませんでした。本発明のISDB-T方式に よれば、家庭向けにハイビジョン番組を、携帯端末向けにはワンセグサービスを1つのTVチャンネルで同時に伝送することが可能になります。また、携帯端末でも安定な受信ができます。

○ ISDB-T方式では、1つのテレビチャンネルを13のセグメントに分割し、これを単位に電波の設定を行なうことにより、柔軟な放送サービスを可能にしています。例えば、ハイビジョンを固定受信する場合とワンセグを携帯受信する場合では受信環境が異なりますが、本発明では、固定向けと携帯向けのそれぞれに最適な送信法を設定できます。

○ 日本では、このISDB-T方式による地上デジタルテレビ放送が2003年12月にスタートし、視聴できる世帯数も2009年3月末現在で全世帯の約97%まで拡大しています。本発明の優れた特長は国際的にも注目を集めており、ブラジルでもISDB-T方式に基づく地上デジタルテレビの本放送が2007年12月に開始され、ペルーも今年、導入を決定しました。

○ NHKは、今後も放送技術の研究・開発を推進するとともに、研究成果の内外への還元にも積極的に取り組んでいきます。なお、授賞式は発明協会総裁の常陸宮同妃両殿下の台臨を仰ぎ、7月29日(水)に行われます。


ISDB−T方式は、セグメント構造により様々な応用に柔軟に対応できます。


参考) 全国発明表彰について
 全国発明表彰は皇室より毎年御下賜金を拝受し、社団法人発明協会が主催し、我が国における発明、考案または意匠の創作者並びに発明の実施および奨励に関し、功績のあった方々を顕彰することにより、科学技術の向上及び産業の発展に寄与することを目的として行なっているものです。
 NHKは昨年度の同表彰でも「話速変換装置の発明」で朝日新聞発明賞を受賞しており、福地会長の発明実施功績賞の受賞は2年連続となります。
 なお、全国発明表彰の詳細は社団法人発明協会のホームページ http://www.jiii.or.jp/ (NHKサイトを離れます)にて公開されています。


 
 
 
ページトップにもどる
経営情報へ戻る前に戻る