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◆スーパーハイビジョン・フル解像度プロジェクターを開発
〜 SHV本来の高画質システムを実現!能力をフルに発揮! 〜
(平成21年5月13日)
 

○ NHKとヤマハ(株)は、放送局のスタジオなどで使用する移設可能な防音室としては日本国内で最高の遮音性能を実現した“高遮音組立式コメントブース”を開発しました。組み立て式のため短期間でブースを設置でき、番組編成などでブースのレイアウト変更が必要になった場合にも迅速かつ柔軟に対応することができます。

○ 一般的なコメントブースは、周囲に固定の遮音壁を設け、その中に独立した浮床構造を採用することで、高い遮音性能・防振性能を達成しています。しかし、建築工事に数ヶ月を要し、一旦設置してしまうと、レイアウト変更に伴う移設に対応することが難しいなどの問題点がありました。

○ 手軽さから遮音性を犠牲にし、従来の組み立て式ブース*1)を使用する手段もありますが、遮音性能が放送用収録ブースとして十分確保できず、放送局への導入はごく限られたものとなっていました。

○ 今回開発した組み立て式ブースは、パネルのプレファブ化を採用しているため、大幅に工期を短縮することができ、一週間程度の工期で設置ができるようになりました。壁や天井を二重構造とするとともにパネル構造と空気層の組み合わせを工夫することで、放送用収録として使用できる遮音性能を実現することに成功しています*2)

○ 防振性能向上のために適正な防振ゴムの配置を行い、消音チャンバー*3)に低騒音型ファンを採用することで、放送スタジオと同等の騒音レベルをブース室内で実現しています*4)

○ ブースの壁面などをプレファブ化しているため、レイアウト変更にともなうブースの改築に際し、パネルを流用できなるなど、エコにも配慮しています。

*1) 「会話がかすかに聞こえる、ピアノの音は楽曲が認識できる」程度の遮音レベルで、遮音性能を表す単位で表すとDr-40程度
*2) 低音域から高音域にわたり、「会話は聞こえない、ピアノの音は殆ど聞こえない」程度の遮音レベル(Dr-60)
*3) 空調用ダクトの途中に接続して消音に使う箱状の装置
*4) 室内騒音に関する広帯域の雑音に対する評価値であるNC値で表すとNC15の騒音レベル


(遮音性能を表すグラフで、縦軸は、ブース内外での音のレベル差を表し、数値が高いほど遮音性能が良い。横軸は音の高さを表し、目盛りは耳の特性に合わせ、1つ増えるごとに周波数が倍(オクターブ)となる。)
放送用収録として使用できる遮音レベルDr-60を低音域から高音域にわたり確保している



空気層を間に挟んだ二層構造でありながら薄型化した壁・天井パネルを開発し、遮音性にすぐれ、容易に設置できる組み立て式コメントブースを実現している。

 
 
 
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