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◆再撮した映像でもOK!新しい「電子透かし」技術を開発
〜テレビや映画の再撮映像からでも、出所を特定〜
(平成19年12月5日)

○ 日本放送協会(会長:橋本元一、以下「NHK」)と三菱電機株式会社 (執行役社長:下村節宏、以下「三菱電機」)は、テレビ画面や映画スクリーンに表示された映像を再度ビデオカメラ等で撮影(再撮)しても、映像を再撮した場所や時刻などを特定できる画期的な技術を 開発しました。

○ この技術により、近年問題になっているテレビ画面や映画スクリーンを撮影して制作した海賊版ビデオの流通やネットへの不正送信を 抑制する効果が期待されます。

○ 「電子透かし」とは、映像などの信号を人間の視覚に認識不可能なレベルでわずかに変化させることにより、その映像を特定できる情報を埋め込む技術です。従来は、アナログやデジタルコピーによる違法な複製を防止するため、この技術の研究・開発を進めてきました。 しかし現在、テレビ受像機の大画面・高画質化やカメラの小型化・ 高画質化に伴い、テレビ画面や映画スクリーンの再撮により高品質の海賊版が制作できるようになったことが問題になってきています。

○ そこで今回、「再撮耐性」を持つ「電子透かし」技術を開発しました。「再撮耐性」とは、一旦テレビ画面や映画スクリーンに表示された映像を再度ビデオカメラ等で撮影(再撮)しても、その撮影画像の透かしの情報が損なわれず検出可能な技術です。

○ 画面やスクリーンを斜めから撮影したり、コンテンツの一部が欠落したりしても情報が検出可能であり、優れた再撮耐性を持っています。またこれまでと同様に、VTRやDVDによるデジタルあるいは アナログコピーの映像からも、透かし情報の検出が可能です。

○ 将来、本技術のデジタル放送やネット配信ビデオを表示するディスプレイへの導入が行われれば、幅広い映像の著作権保護への適用が期待できます。

 


海賊版の流出と電子透かし活用の一例

■デジタルシネマ設備を有する映画館であれば、映画館ごとに個別の透かし情報を埋め込むことが可能です。これにより、海賊版がどの映画館で撮影されたかを追跡することができ、ビデオカメラによる再撮防止に効力を発揮します。

 
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