技術情報 NHK information
Copyright NHK (Japan Broadcasting Corporation) All rights reserved. 許可なく転載を禁じます。

◆操作性に優れたハイビジョンノンリニア編集機を開発
〜効率的なハイビジョン制作に向けて〜
(平成18年11月14日)


○ NHKは三友(株)、さくら映機(株)と共同で、編集作業の操作性に優れ、PCベースで低廉なハイビジョンノンリニア編集機を開発しました。

○ 開発した編集機は、(1)ベースバンド信号、(2)民生規格のHDV*1信号、の2種類のハイビジョン入力信号フォーマットに対応するとともに、編集作業のリアルタイム性を向上しました。また、(3)標準テレビの入力に対し、簡単な操作で画像処理を施してハイビジョン画角の映像信号を生成する機能を有します。

(1) 入力信号がハイビジョンベースバンド信号の場合は、国際標準の映像圧縮 規格であるMPEG2で約100Mbpsに圧縮します。このデータの圧縮・伸張を、ソフトウェアで処理することにより低コスト化を実現するとともに、ビットレート変更などの柔軟な対応を可能としました。
(2) HDV信号は、連続した複数フレームの相関を利用して信号を圧縮するLongGOP方式を採用しているため圧縮効率が良く、低いビットレートで高画質を実現できます。一方で、映像のコマ送りなどに対して表示の追従速度が遅いという課題があり、従来のHDV編集機では、編集作業の確認用に解像度の低い映像を表示するなどの対応をしています。今回、高速デコード技術*2を開発することにより、高画質のままリアルタイムで高精度な編集を実現しました。
(3) 画角4:3の映像の両サイド部分に簡易な操作で静止画像を貼り付け、16:9の映像を生成できるため*3、放送局で所有する番組素材や視聴者からの提供映像など標準テレビの信号も効率的にハイビジョン編集できます。

○ 開発したハイビジョンノンリニア編集機は、11月15日より幕張メッセで開催される国際放送機器展に出展する予定です。NHKは、今後もデジタル放送の魅力であるハイビジョン番組の効率的な制作に向け、編集機をはじめとしたハイビジョン制作機器の研究・開発を進めていきます。

※1 キヤノン(株)、シャープ(株)、ソニー(株)、日本ビクター(株)の4社が共同で提案した規格で、複数のビデオカメラが発売されている
※2 早送り、コマ送りなどの再生スピードに合わせた表示画像の解像度調整などでデコード処理の高速化を図り、違和感のない操作性を確保。さくら映機(株)と共同特許出願中
※3 さくら映機(株)と共同特許出願中

[システム概観]

[システム構成]

 

[圧縮仕様概要]
圧縮方式
仕様
HDV圧縮
ピクセル数 1440×1080
MPEG2LongGOP圧縮 25Mbps
IEEE1394入力
高画質フレーム内圧縮
ピクセル数 1440×1080(1920×1080対応可能)
MPEG2圧縮 約100〜160Mbps(設定により変更可能)
HD−SDI入出力
DV圧縮
ピクセル数 720×480 DV25Mbps
IEEE1394入力




 
ページトップにもどる
経営情報へ戻る前に戻る