○ スーパーハイビジョンは、ハイビジョンの16倍の画素数を持つ超高精細 映像と、22.2chの立体音響からなる高臨場感映像・音響システムです。今年3月25日から9月25日まで開かれた愛・地球博でも、博覧会協会のシンボルパビリオン「グローバル・ハウス」において約153万人の来場者の方々に、スーパーハイビジョンの臨場感あふれる映像と音の世界を体験していただきました。
○ スーパーハイビジョンは、これから発展していく放送技術です。これまでのスーパーハイビジョンの映像制作は、情報量が多いなどの理由から、1台のカメラで撮影したものを大容量のサーバーに収録し、編集する作業が必要でした。また、音響も計24チャンネル(22+2)というこれまでにないチャンネル数のため、遠隔地への伝送・中継を行うことが困難でした。
○ 今回のスーパーハイビジョンの生中継実験では、千葉県の鴨川シーワールドと世田谷区砧にあるNHK技研との約260kmを光ファイバーで結び、鴨川シーワールドから迫力あるスーパーハイビジョンの映像と音をリアルタイムでNHK技研に届けます。
○ 実験では、非圧縮のスーパーハイビジョン信号を16本のHD−SDI1信号に分けて波長の異なる16の光信号として多重伝送するDWDM2方式を用いることにより、1本の光ファイバーで伝送することが可能となりました。さらに、多段に接続した光増幅器で伝送損失を補償することにより、長距離伝送を実現しています。
○ 今回の中継では、スーパーハイビジョンとしては初めて2台のカメラの映像をリアルタイムで切り替えて伝送します。また、複数のマイクで収音した素材音をそのまま伝送し、NHK技研側で22.2chの立体音響によるリアルな音場を再現します。これらは、今までのスーパーハイビジョンの番組制作の制約を破るもので、スーパーハイビジョンがテレビメディアとしてさらなるステップを踏み出したことになり、今後は、光ファイバーを使ってさまざまな場所から生中継を実現できる見通しが得られたことになります。 ○開所記念イベントの開催期間は、2日間です。初日の11月2日には、マサチューセッツ工科大学・利根川進教授と国立情報学研究所・末松安晴顧問のお二方をお招きし、記念講演会を開きます。また、11月3日には、 地域イベントとして、体験型の展示を含む研究展示およびスーパーハイビジョンの上映を行います。